二徳のとんち☆ | げむおた街道をゆく

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秀吉が太閤と呼ばれていた頃。

当時、秀吉の御伽衆の中に、二徳という者がいた。
かれがいつも調子のいい事を言うのを、

こにくらしく思っていた秀吉は、悪戯をしかけてみた。
 

二徳を呼び出すと、

「今日は非常に立派な鶴を献上された。これを生き造りにしてお前に食わせてやろう。」

と言う。
そんな気持ちの悪いもの食わされてはたまらない、と思った二徳、

「わたくしは、愛宕権現に願をかけておりますので、

ただいま生ものを食う事ができません。」

と言った。

「なんじゃと?いい加減な事を言うと釜茹でにするぞ?一体何の願をかけておるのじゃ?」

「太閤殿下の事で。」

 

「わしの?」

 

「はい。殿下が臆病になられますように、と願をかけております。」

わしを臆病にするとは何事か!

と、言い出しそうな秀吉に二徳は、

「殿下はあまりに命知らずでありまして、
戦場でも鉄砲などにお構いなくどんどん進んでいってしまいます。

もし鉄砲の弾に当たってお果てになられたら、
私はどうしたらいいいのか…。

それゆえに、臆病になられますようにと、精進し権現様に祈っておるのです。」

秀吉はこの答えを気に入り、二徳をほめ、褒美をとらせた。

秀吉の悪戯を見事に切り替えしたお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 太閤記・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!