つまり大澤は、信というものを☆ | げむおた街道をゆく

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美濃国宇留間の城主・大澤二郎左衛門は、

木下秀吉の謀を以って織田信長に属した。
秀吉は大澤を引き連れ信長のもとに参り、

清須において信長へ御礼を申させた。

その夜、信長は密かに秀吉を招いて命じた。
「大澤は名のある勇士である。

もし志を変じては、重ねて退治するのも大儀であれば、
夜中に彼を誅するように。」

秀吉はこれを諌めた。
「大澤大敵なりと雖も、我らを信用したくれた故に、降参を遂げたのです。
今これを殺すことは、約を変じ信を失い、ただ一時快くするだけの話であり、
今後重ねて、所々の剛敵が降伏しなく成るでしょう。」

そう説得したが、信長は得心しなかった。

秀吉は急ぎ大澤の元に行くと、信長の命を残らず説明し、
「こういった事となったが、

あなたは私を人質として、急ぎ退去するのだ。」

これを聞いて大澤は大いに喜び、

秀吉を人質に取って帰城した。

後に秀吉はこの時のことをこう語った。
「私が大澤に信を示した所、大澤は私を以って人質とし、

小刀を抜いて私に指し当てて退いたが、
つまり大澤は信というものを知らなかったのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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