「譜代というものは、その肩書にもたれかかって、
あまり働かぬ傾向がある。
それに比べて、外から来た者は、譜代に負けまいと思い、
一生懸命頑張るものだ。
そこでその良く働く外様の者を抜擢起用致すと、
譜代の者は内心面白く思わず、
いよいよ精進を怠り、
挙げ句の果てには出奔したりするものだ。
ところが、外へは出たものの、以前のようには待遇されず、
住み心地も決して良くないので、
またすごすこと頭を下げて帰参を願う。
首尾よく帰参が叶っても、一旦他所に出た者は、
それだけ信頼に欠けるところがあるから、
主人のおぼえも良くなく、
結局、しっくりいかぬまま不満の内に生涯を終えてしまうものである。
譜代のものが心を入れて励むならば、
どうして外様の者に取って代えようか。
その辺のところを、よく心に入れて、精進致す事だ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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