稲富祐直☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある日、徳川家康が、細川忠興を訪ねた。

二人は、何気ない話をしていた。

家康、

「私は、もっと長生きがしたい。 笑いますか?」
 

忠興、

「まさか! ぜひ長生きしていただきたい。」
 

家康、

「そうですか。

実は、私は鷹狩と鉄砲だけが、楽しみでしてなぁ。

これらをやってると寿命が延びる気がするんです。」
 

忠興、

「はあ。」
 

家康、

「そこでご相談したいのですがね。稲富伊賀守のことなのですが…。」
 

忠興、

(……しまった。)

忠興は、家康にうまく乗せられたことに気がついた。

稲富祐直は忠興の家臣で鉄砲の名手だったが、

忠興の怒りを買って殺されそうになり、

松平忠吉のもとに逃れていた。

家康、

「伊賀守から鉄砲の話をきいて、日ごろの疲れを除きたいと思うのですよ。
いや、忠興殿のお怒りはごもっともですが、

あれほどの男を殺すのは惜しいではありませんか。

出家させて命だけでも助けてやってはいかがでしょう?」

忠興としては稲富を許すつもりなどないのだが、

話の流れから駄目とは言えず、
ついに稲富を許した。

 

その後、稲富は、徳川家を大いに助けたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!