ある時、徳川家康と福島正則が歓談していたが、
正則、この中で
家康の将、本多忠勝、井伊直政、榊原康政の事を賞賛した。
「あの三氏の武勇は真に素晴らしい。
まさに御当家の干城と言うべきでしょう。」
この言葉に家康、首を左右に振りつつ、
「いやいや、そう言うものではない。
わしの下に居る勇士は、その三人のほかにも後七人ほど居る。
都合十人であるな。」
「ほう?では残りの七人とは、どなたですかな?」
「ふふふ。秘密じゃ。」
家康、これに笑うばかりで何も答えなかった。
さて、これを聞いて奮起したのは、
本多、井伊、榊原以外の徳川の将達である。
「我こそは十人の中に加わる者なり。」
と、競う合うように切磋したとの事。
こうなる事を最初から予想して発言したのか、
それともただ単に正則に大げさに言ってみただけなのか。
徳川家、謎の十人衆のお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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