寺の助け方☆ | げむおた街道をゆく

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鷹狩に出かけた家康は、喉の渇きを癒そうと寺に立ち寄った。
 

寺はみすぼらしく、屋根や土壁は破れ放題であった。

見かねた家康は、

「なぜ寺の修繕をしないのか?」

と住職にたずねた。
 

住職は答えた。

「寺の修繕となれば、この辺りの農民に負担を掛けます。
貧しい農民達の心の拠り所の寺が、

彼らを苦しめる事は出来ません。」
 

感心した家康が寄進を申し出ると、

「我が寺のみ将軍様から目をかけていただいては、

他の寺社から妬まれます。お気遣いご無用でございます。」
 

家康は寺を立ち去る際、小姓を集め命令した。
「お前達、遠慮はいらぬ。暴れ回ってこの寺を存分に打ち壊せ!」
将軍家康の命令に小姓達は逆らう事も無く、寺を散々に打ち壊した。

数日後、途方に暮れる住職に家康から書状と金が届けられた。

書状には、

「先日、小姓達が暴れて寺を壊してしまって申し訳ない。

ついては謝罪金を送るので、壊れた寺を修繕して欲しい。」
 

将軍の寄進と言えば妬まれるが、弁償と言えば角が立たない。
寺は立派に建て替えられ、

住職も農民達も家康の心遣いに涙して感謝した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!