家康公が、在る時、このように仰せに成った。
「小身の武士が、装備する具足を作らせる時、
胴や籠手などは粗末に作ってもよいが、
兜は念入りにすべきだ。
何故ならば、討ち死にを遂げた時、
兜は頸と一緒に、敵に渡るものであり、
つまり死後の為のものでもあるからだ。」
これについて、上田宗固は、このように語った。
「武士は討死を遂げ、
首になった時のことを常に心がけておくべきでしょう。
であるので、月代などが後ろに下がっていると、
詫言をしているような顔になり見苦しいので、若き衆は必ず、
後高に剃るべきです。
明日は必ず合戦があると知れた前日は、
頸を綺麗にしておく心得が第一です。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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