ある時、徳川家康が敵地に斥候しに行った時の話。
右手に深田があるのを認めた家康、おもむろに白服を着て部下に、
「右手には何が見える。」
部下は見たまま、
「深田があります。」
と言い終わらない内に、
家康はいきなり深田にダイビング、腰まで埋まる。
何が何だが解らない部下。
兎にも角にも家康を深田から引っこ抜くと、
「この通り、腰まである。
馬でも脚が届かずに身動きとれなくなって、
討ち取られる恐れがあるから注意するように。」
と家康は腰まで泥が付いた白服を示して、注意を促した。
「その様な事、言葉で言えば解ります。」という部下に対し、
「戦の最中は言葉で伝えた事など直ぐに忘れる。
こうすれば忘れないだろう。」
人に物事を教えるためには、インパクトが重要なのであった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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