主君は異論こそ聞け、世の中の言葉を聞け☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

徳川家康がある時、この様なことを仰った。

「主君に対して、その政道の正しさをことさら取り上げ、

人々は善政に潤っています、などと言ってくる者が居る。
そんな者の言うことなど、全く聞くに及ばぬ!

少しであっても、その政道に対して異論が存在していれば、

主君は早々にそれを聞き出さねばならない。
『自分には誤りなど無い』

などといって聞き捨てにしてはならないのだ!

しかし、それを何者がそう言ったかなど、

糾明するような事もしてはならない。
主君の心ひとつに収めて、その異論をよく吟味し、

改めるべきところを改めるのだ。

物には思いもよらない事というものがある。

あの織田信長が、明智などにああも安々と討たれるなど、

一体誰が予想したであろうか?
 

また信長の織田一門は歴々たるものがあったというのに、

秀吉に主親の敵を討たせて、彼の風上に立ってしまった事など、
全く時の至というものであり、天が秀吉に与えた福というべきだろうか。

こういったことから解るのは、

例え天をも計り地をも察することができても、

計り難きは人の心なのだ。
だからこそ、仮初のことであっても、

主君たる者は心をかけて見聞きしなければならない。

主君や傍輩にも真実をつつみ隠すような佞奸の者は、

世の人々の見解を鏡として、早く退けるべきである。
どんな佞奸の者でも、

天下の見解まで包み隠すことは出来ないものだ。
また、主君に対しその様な異見が世間に存在することは、

決して恥ずかしいことではないぞ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!