ある日、家康の家臣たちの間で、
どういうタイプの家来が、家康の好みかについて議論があった。
ご存知のとおり、家康の相談役には、さまざまなタイプがおり、
ウィリアム・アダムスやヤン・ヨーステンのような外国人、
天海や金地院崇伝のような僧侶、林羅山のような学者、
茶屋四郎次郎のような商人をおくとしても、
武士についてもタイプがばらばらだったからである。
そこで、ある人は、
「やはり作佐のような朴訥のタイプが好みではないか。」
というが、
別の人は、
「いやいや、成瀬隼人をみると、冗談が好きなのではないか。」
といい、
またある人が、
「安藤正次のような無口なタイプこそお気に入りのはずだ。」
というと、
「酒飲みで大言を吐く中井大和のようなタイプが好みだろう。」
という人もいた。
実は、家康が、なにより大事に思っていたのは誠実さであり、
「誠実であれば、失敗があっても許してやれ。」
というのが身上だったのだが、
上の話を見る限り、
理解していなかった家臣も多かったようである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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