徳川頼宣、父・家康の思い出☆ | げむおた街道をゆく

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紀州徳川頼宣が、晩年に語ったことである。

頼宣四歳の頃、父・家康に従って、

漁り(すなどり)をしたことがあった。
 

その道すがらに、谷川があったのだが、

この時、家康は頼宣に向かって、

「ここを馬に乗って渡れ。」

と言ったが、頼宣はためらい、

頼宣の左右の者たちは、これを察して手助けしようとしたので、
家康は、

「臆病な事である。」

と言って、

頼宣の従者達を叱り、結局、谷川を渡る事はなかった。

頼宣七歳の時にも、家康が漁りに連れて行った。
この時にも、途中、谷川があり、

家康はまた、

「ここを馬に乗って渡れ。」

と言う。

頼宣は、四歳の時、渡らず臆病と言われた事を思い出し、

一人で憤然と谷川に乗り入れた。
しかし過って水に落ち、流された。

ところが、である。
水の途中には、網が張ってあり、

そこに引っかかった頼宣を、従者達が引っ張って助けた。
川にはあらかじめ、家康の命により網が取り付けられていたのだ。
 

このようにして家康は、

頼宣に剛毅の心を育てようとしたのであろう。

これを語ると頼宣は、

「今にして思えば、父上が私のことを思い訓育してくれたこと、
涙の出る思いである。」

と、振り返ったそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!