雷への用心☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

徳川家康が駿府の城にいたある夏、

天にわかに曇り、激しい雷雨となった。
 

この雷が鳴り響く中、家康はお伽衆たちと広間にいたが、

かれらにこう尋ねた。

「地震などは家を頑丈に作ったりと、まだ用心のしようもあるだろうが、
雷だけはどう用心しても、

何処に落ちるかわからないのだから難を避ける事は難しい。
何か雷を避ける方法はあるか?」

お伽衆たちは頭を悩ませたが、結局皆、上様のおっしゃるとおり、

雷だけは用心の方法ありません。
と、答えた。

ところが家康は、

「いや、雷にも用心の方法はある。」

それはいかに?と問われれば、

「雷が鳴っているときは、広い屋敷でも狭い小屋でも構わん、

親子兄弟、それぞればらばらの場所にいることだ。

そうすれば、一家が全滅する事はない。

雷に当たって、個人が死ぬのは、

それはその本人の運命とあきらめるしかないだろう。
だが、一家が一つところに固まって、そのたった一人の運命に合わせて全滅しては、

愚かとしか言い様が無いではないか。

避けられぬ物への用心は、こうするのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!