帯刀が喉が渇いたと☆ | げむおた街道をゆく

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大坂城落城の朝、徳川家康は御旗御長柄を住吉の辺りに立てて置き、
自身は住吉と城の間の山奥にいた。

この時、家康は松平正綱を召して、

「城中の者は我が旗印を見て、

わしが住吉にいると思っているだろうな。

味方は既に勝ったのだから、

この上は身を大事にすることが第一じゃ。」

と笑った。

そんな所に、安藤直次が馳せ来たり、家康に勝利の様子を報告した。
 

それから、直次は御茶や弁当のために同行していた坊主に向かって、
「喉が渇いてかなわん。とにかく一杯飲ませろ。」

と言った。

しかし坊主は、

「只今、上様の御茶碗の他には器がございません。」

と断るので、
直次は、

「上様の御器でも賜った後ですすげばよかろう。いいから飲ませよ。」
と重ねて要求した。

そのような問答をしていたところ、

聞いていた家康が、

「帯刀が喉が渇いたと言っているのに何故飲ませぬか。

こんな時に上も下もあるか馬鹿者!」
と坊主を叱ったので、直次はすぐに喉を潤すことができたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

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