夜中の騒ぎ☆ | げむおた街道をゆく

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小田原城開城前後の頃の事である。
徳川家康は、双子山と言う所の、麓の平野部に陣を張っていた。

その夜、家康は一方に土を盛り、もう一方に鎧櫃を置き、

その間に戸板を二枚わたして、その上で寝ていた。

簡易ベットですね。
傍では大河原と言う、この時まだ15,6の小姓が控えていた。
彼もうつらうつらとしていたが、夜更けも過ぎた頃、

にわかに騒ぐ音が聞こえた。

大河原、これに驚き立ち上がったが。

その勢いで戸板にあたり、それを落としてしまった。
そう、その上に寝ていた家康、寝床からすべり落とされたわけです。

「い、一体どうしたのだ?何を慌てておるか!」

突然ひどい起こされ方をした家康が聞くと、
大河原、「不審な物音がいたしまして…、ほら!、今も!」
 

その音を聞いて、家康、
「お主はまだ若いから、わからぬのも仕方が無いが、

陣中においては、夜中の騒ぎなど、
これは良くある事なのだ。
敵が出てきたときは、鉄砲の音、弓のつるの音なども一緒に聞こえてくる。
さて、先ほどの音を聞くに、これは人の話す音であった。

これは馬を取り押さえているか、
口論でもしているのであろう。

まあどちらにせよ、気遣いするようなものではないよ。」

そう諭すと、また板をわたし直して、再びお休みになったそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ どうする家康・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!