上杉謙信が初めて上洛した折の事。
まず、京を支配していた三好長慶の屋敷に挨拶をしに行ったが、
長慶は仮病や居留守を使い、けんもほろろと、相手にしなかった。
これに腹を立てた謙信、宿の主人に長慶とはどういう人間かを聞いた。
あれこれ話しているうちに、
「三好殿は普段どちらへお出かけするのか?」
「北野神社を信仰されており、毎月参拝されます。
明後日もそのためにこの宿の前を通ると思いますよ。」
それを聞いた謙信、
「ではお出迎えの準備をせねばいかんな。」と、
家臣に命じ、弓に弦をかけさせ、槍を磨かせ、鉄砲の整備をさせた。
宿の主人はこれに驚き、長慶の屋敷に駆け込んだ。
「越後の長尾様のご一行が、大変な準備をしております!」
三好家も驚愕し、急遽家宰の松山新入斎を宿に派遣した。
それを見た謙信。
「やあ、やっと話の出来る奴が来たな。」
そこで松山と談合し、将軍への謁見の段取りをつけさせた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく

ごきげんよう!