かえり感状☆ | げむおた街道をゆく

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有名な永禄4年(1561)の、第四時川中島合戦の後のこと。


上杉謙信は、武田信玄と和平を結ばんと、長遠寺の僧にその仲介を頼んだ。

謙信はこの僧に尋ねた。

「甲斐の家士に、向井與左衛門と言う者がおるか?」

「は、いらっしゃいます。」

「その男には、傷跡は無いか?」

「…は? そういえば顔に刀の跡があったようですが…」

「うむ。その男である。
実は先の川中島合戦の折、その向井は名乗り上げて、

後ろからわしを槍で突き通そうとした。
そこでわしはとっさに振返り、刀で斬り払った。
あの手応えでは、よもや助かる事は無いと思っていたが、

そうか、生きながらえておったか。」

そこで謙信、その合戦のときに着ていた、

向井の槍跡の残る萌黄の胴肩衣を取り出し、
それに書簡を添えて、

「おぬしの武勇、見事であった。」

と、向井與左衛門へ送り届けた。

これを世に、『かえり感状』と呼ぶそうである。


上杉謙信、敵であっても武勇の士を愛し称える、と言うお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 越後の龍・上杉謙信、目次

 

 

 

 

 

 

 

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