長尾藤景、酒の席にて☆ | げむおた街道をゆく

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長尾遠江守藤景という人がいる。
 

越後国守護代、三条長尾家の支流にして、
三条と栃尾を結ぶ軍事的要衝、高城を治める下田長尾家の当主である。

この人物、長尾一門であるばかりでなく、なかなか武略に優れた将であったようで、
長尾政虎の軍中にあっても重きをなして、謙信七手組の一翼を担い、
永禄二年に記された披露太刀之次第では、披露太刀の中で第十位の序列につけていた。

実際の軍功では、永禄五年の第四回川中島で謙信を助けてよく戦い、
主戦場に到着した武田別働隊による挟撃で、

総崩れとなった退き戦において、抜群の働きを示している。

が、その後がいけなかった。
 

事実上の敗戦となった川中島合戦に直面して、

藤景は主君への忠誠心をすっかり失ったようで、
普段はまだしも、酒が入ると、

ことあるごとに、この時の謙信の指揮を批判するようになったのだ。
 

謙信はこのことを恥辱として甚だ恨みに想い、
数年後に下田長尾家に謀反の疑いありと濡れ衣を着せ、

本庄繁長に命じて春日山城中で騙まし討ちにしてしまった。
 

その報を聞いた藤景の家老長尾外記入道興里は、急ぎ兵を集めて高城に篭ったが、
時を置かずに攻め寄せた本庄軍によって防備も疎かな城は落城。
興里は討ち死にし、婦女子はその防戦の間に辛うじて落ち延びて何処かへと隠れ潜み、
これにて下田長尾家はまったく滅亡となってしまった。

いかに酒の席、無礼講といえど相手も人間。
言いたいように言われて赦してくれる上司はあんまりいないという悪いお話。
 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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ごきげんよう!