姫鶴一文字☆ | げむおた街道をゆく

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米沢市上杉博物館の所蔵品の中に"姫鶴一文字"という太刀がある。
この重要文化財にも指定されている太刀にまつわる逸話。

刀剣マニアでもあった謙信公、あるとき一振りの太刀を手に入れた。
無銘ではあったが見目美しく良い太刀であった。

が、長さがちと中途半端。
謙信公、これを馬上で使い易いように摩り上げようと御腰物係を通じて研ぎ師に預けた。
研ぎ師は預かった大切な刀に何かあっては大変と、刀を抱いて寝た。
すると夢の中に長い黒髪も麗しい姫君が現れ、

「どうか私を切らないで下さい。」

と、涙ながらに訴えてくる。

 

翌日、面妖な事もある物だとその日の摺り上げを中止して、
またも抱いて寝る事とした。

するとまたも昨夜の姫君が夢の中で訴えてくる。
「そなた、名は?」

研ぎ師の問いに、姫は、「鶴と申します。」と答えて消えうせた。
 

これはいよいよ面妖なりと、研ぎ師は御腰物係のところに赴き仔細を説明した。
御腰物係は半信半疑であったが、物は試しと刀を抱いて寝る事とした。
と、やはり夢の中に。(以下同文)
 

かくして謙信公、御腰物係、研ぎ師との鳩首会談となり、

その結果刀は摺り上げを免れた。
そして姫君の名を受けて"姫鶴一文字"の銘を授かったのであった。
 

さしもの"越後の龍"も、女の涙には敵わなかった、いい話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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