廉将監の錯乱☆ | げむおた街道をゆく

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上杉謙信の家臣に、廉将監と言う者がいた。

ある時、この将監の嫡子、甚四郎が罪を得、死罪にされた。
謙信は将監の元に使いを出し、甚四郎の罪を詳しく説明し、

父母への憐れみまで表明した。
将監は、一旦は君命を畏まり、奥へと下がった。

が、再び戻って来ると、長刀を構えて使者に立ちふさがった。

「私は謙信公にも、そしてもちろん、使者であるあなた方にも恨みは無い!
ただ、子を思う心が私を狂わせたのだ!」

そのように叫ぶとたちまち、二人の使者を切り伏せた。

この騒ぎに、近隣の者達が集まり謙信の使者を殺した廉家を攻撃、
将監と手向かいした廉家の者達は皆殺しにされたが、

攻め手にも30名の死傷者が出るという大きな惨事となった。
 

が、この報告を受けた謙信は、怒る事は無かった。

「ただ一人の男子を失って、気がふれてしまったのか。不憫なことではないか。」

そうして、残された廉の妻と娘を厚く扶助した。
時の人は、この謙信の仁心を、深くたたえたと言うことである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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