達磨不識☆ | げむおた街道をゆく

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ある日のこと、上杉謙信は聴衆に混じって説教を聴いていた。
 

説教しているのは禅僧の益翁で菩提達磨の『不識』についての話だった。

謙信は、

「俺は禅について多少は知っている。ちょっとこいつを試してやろう。」

と思い、周りの聴衆と同じ格好をして、様子をうかがっていた。

 

すると益翁は不意に謙信の方を向いて、
「では御屋形様、達磨不識の意味はなんですかな?」
と質問してきた。

 

しかし謙信は呆気にとられてなにも言えなかった。
 

益翁は続けて、
「どうなされた。

あなたはいつも禅の話になると弁舌ではありませんか。
何故お答えにならないのです」
と畳み掛けた。

 

実は謙信は禅についてちょっとした自信があったのだが、

これで彼のプライドは、ずたずたになったのだった。

その後、己の未熟さを思い知った謙信は、益翁のもとで禅を熱心に勉強し始めた。

 

益翁はいつも、
「真に禅を会得したいならば、

命を捨てて、

死の穴に飛び込まなければならないでしょう。」

と謙信に語ったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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