こんばんは。
梅雨入りしてジメジメ。
泡がおいしい季節になりました。
今日のワインはシャンパーニュです。
ところでお店に行くと、スパークリングワインの商品説明に「シャンパーニュと同じ製法で造られています」っていうコメントをよく見かけますよね。
なんとなく良さそう、でもそもそもどんな造り方なの?って方もいるはず。
そこで今日は、シャンパーニュの製法についてお話したいと思います。
はじめに前知識を少しだけ。
酵母が糖分を食べることによって、アルコールと二酸化炭素が発生します。これがアルコール発酵です。
この製法ではこの原則がキモです。
では、シャンパーニュがどうやって造られるか見ていきましょう。
- はじめに、収穫したブドウを発酵させて、泡のない辛口白ワインをつくります。
- 一般的なシャンパーニュはノンヴィンテージなので、複数年のワインをブレンドして、毎年同じ味わいになるように調整します。
- ワインをボトルに詰めます。このボトルは販売されるボトル(我々が買うボトル)です。
- リキュール・ド・ティラージュと呼ばれる、酵母と糖分などを含んだワインを各ボトルに加えて、王冠で栓をします。
- リキュール・ド・ティラージュ内の酵母と糖分によって、ボトル内でアルコール発酵が起き、二酸化炭素(=泡)が発生しますが、栓をしているため、泡がボトルに閉じ込められます。瓶の中で2回目の発酵を行うので、この製法は瓶内二次発酵方式ともよばれます。
- アルコール発酵が完了した後は、ボトルのまま熟成させます。最低12か月間の瓶内熟成が定められています。
- 長期間の熟成中、発酵を終えた酵母は死滅し、澱になって沈殿します。やがて死んだ酵母は細胞分解し、アミノ酸などがワイン内に溶け込み、独特のフレーバー(ビスケットやパン、ナッツ)をワインに与えます。また、時間の経過とともに泡も溶け込んでいきます。
- 熟成中、ボトルは逆さまに置かれ、少しずつ瓶を回して澱がムラなく瓶の口付近に集まるようにします。
- 澱が瓶口に集まったら、瓶口を凍らせて王冠を外します。泡の力で凍った澱が飛び出します。
- リキュール・デクスペディシオン(門出のリキュール)という、ワインと糖分を混ぜたものをすかさず追加して、コルクを打って栓をします。この時の糖分の量で、そのシャンパーニュの甘さが決まります。
- さらに最低でも3ヶ月間熟成させたのち、販売できるようになります。
以上です。
いやー、手間かかってますねー。
ちなみにこの造り方をしているスパークリングワインでも、今はラベルに「Method Champagne」(シャンパーニュ製法)と書くことはできません。
シャンパーニュ地方に訴えられたからです。
代わりに、「Method Tradition(伝統的製法)と書くようになりました。
しかしこの製法を行うと、酵母のフレーバーが強くなる代わりにフルーツフレーバーが後退します。
フルーティなスパークリングをお探しの場合は、Method Traditionではない方がオススメです。
生産者
ファミーユ・ドラピエ
ワイン名
カルト・ドール・ブリュット
ヴィンテージ
ノンヴィンテージ
生産地
フランス シャンパーニュ地方 コート・デ・バール地区 シャンパーニュAOC
品種
ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ3%
アルコール度数
12%
テイスティング
オレンジ色がかった黄金色。
強い香りで、リンゴ、ルビーグレープフルーツ、ラズベリー、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツの香り。
辛口、高い酸味、赤い果実とナッツのフレーバーが強いミディアムボディ。後味は長い。
勢いのある発泡はリフレッシュ感を感じさせてくれます。高い酸味とリッチな果実味のバランスが良く、力強い印象です。ヘーゼルナッツのフレーバーが強く、長期熟成による複雑さが感じられます。
評価
⭐️⭐️⭐️⭐️(素晴らしい)