世の中が住みにくい、あるいは人とは関わりたくない、そう思っている人は多いと思います。

私はとにかく 人 が苦手でした。

それをどうやって克服したかを記したいと思います。

 

世の中が住みにくい というと私は夏目漱石の草枕を思い出します。

「山路(やまみち)を登りながら考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくにこの世は住みにくい。住みにくさが高じると安いところへ引っ越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時・・」というあの名文です。

 

私たち人間は、人間として生まれてきました。

でも、「人間とは一体何なのか」もっと言ったら、「自分とは一体何者なのか」は両親はもちろん 学校でも教えてくれないんですね。

何者なのか というのは 先祖探しなどのヒストリーのことを指しているのではありません。

自分の内側にある 心 とか 精神 とかそういう見えないもののことを言っているのです。

 

運動が好きな人は、好きなスポーツをすればそれを通じてある程度精神が鍛えられるのですが、私のように運動音痴の人間は中々精神が鍛えられないのです。

 

私の場合には、「生命とは何か」を知ってから、本当の意味で 人 に対する怖れとか恐怖心が無くなったように思います。

 

人間には、誰にでも「霊感」というものがあります。

特に女性や運動音痴の男性には 霊感 が強い人が多いと思います。

 

この霊感の「霊」というのは何かと言いますと、エネルギーのことなんですね。

エネルギーと言っても石油や石炭などの物質ではなく、見えない非物質のエネルギーのことなんです。

この霊というエネルギーは有ることは分かっているのですが、まだ誰もそれを証明することができていません。

もし証明できれば ノーベル賞 は確実だと思います。

 

まあ、そんなことはどうでも良いのですが、この霊というエネルギーのことを生命と言うのです。

ただ、霊というエネルギーは、意識と意志が無いと働かせることができない仕組みになっているんですね。

この意識と意志のことを精神と呼んでいるのです。

 

精神は意識と意志のことですが、ただ精神というのは生命である霊側から見た時の言葉ではなく、肉体という身体側から見たときの言葉なんですね。

意識と意志を生命である霊側から見たときの言葉を 魂 と言います。

 

このように身体側から見るのか それとも 生命側から見るのかで 言葉同様に見え方も全く違ってくるのです。

身体である肉体側から見る見方を 物(質)的視点と言い、生命である霊側から見る見方を 霊的視点 と言います。

 

私が人を克服できたのは、物的視点ではなく、霊的視点で 人 を見れるようになったからです。

 

魂にはそれぞれ 霊性 というものが備わっています。

霊性という言葉は霊側から見た言葉で、物的な言葉としては 価値観 とか 判断の基準 と言っても良いかもしれません。

 

私たちがなぜ人間としてこの世の中に生まれてきたのかと言いますと、この 霊性 というものを向上、開発するためなんですね。

霊性が向上すれば、まず自分が変わり、そして環境が変わります。

もっと言うと、 運命が変えられる んですね。

 

そして、霊性が向上すれば、人のことを 肉体としてではなく 霊魂として見ることができるようになります。

ここで勘違いしないでいただきたいのは、これは霊能力のことを言っているのではありません。

霊能力ではなく、霊力のことです。

 

霊力というのは 文字通り 霊の働く力のことです。

霊というエネルギーは本来は完全なものなのです。

完全に近い形で働いているのが、地球に宿っている霊魂です。

地球は24時間365日、寸分の狂いもなく自転公転を繰り返していますが、この大きな物体を動かしているのは私たちと同じ霊魂なのです。

 

実は私たち人間にも地球と同じ力があるはずなのですが、そうは問屋が卸さないんですね。

それは魂がそこまで進化していないからです。

 

私たちの精神、つまり魂というのは、自分が霊魂である ということを意識した時から、霊性を向上させることができるようになります。

 

この世の中がなぜ生きにくいのかと言いますと、霊性というものが ごった煮状態 だからです。

 

ところが 自分の霊性が向上してきますと、人のことを許して、認めて、受け入れる ことができるようになってくるんですね。

つまり 人が怖く無くなってくるのです。

 

これはこの世の話ですが、見えないあの世も同じなんですね。

私は昔は幽霊が大嫌いでした。

幽霊というのは死んで迷っている霊魂のことですが、これも霊性が向上すれば 難なく克服できるようになります。

 

精神的な病気も同じです。

霊性の向上は必ずや病気を克服させると思いますし、霊性の向上しか治せるものは無い、私はそう思っています。

 

霊性というのは、魂が 霊の完全性をどれほど現すことができるかを表したバロメーター(物差し)のことです。

 

霊性は 人間が死後も持っていける宝である とシルバーバーチは言っています。

 

ところで死後ですが、死後はこの世と違って 霊性のごった煮はありません。

霊性によって棲み分けられており、自分の霊性に合った場所に住むようになります。

また霊性が下のものからちょっかいを出される心配もありません。

あの世は霊性でヒエラルキーがつくられています。

 

しかし みなさん、実はこの世はあの世の写しなんですね。

つまりこの世でも、自分の霊性が向上すれば 自分が変わり 環境が変わるのです。

 

夏目漱石が言っている どこに引っ越しても同じ ということがなくなってくるのです。

 

私は自分が体験したから そう言えるのです。

霊性の向上は 自分で実践して体験するしか方法がないのです。