ポルトガルの旅(リスボン前編) | 鉄道で行く旅

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ポルトガルの旅のリスボン前編です。(これ以降のリスボン編は現地最終観光日の6日目の記事です)

リスボン(リジュボア)は、ポルトガルの首都で同国最大の都市です。市域人口は54万5,796人を擁し(2021)、市域面積は84.8平方キロメートル(33平方マイル)に過ぎませんが、そのぶん高い人口密度を保持しています。リスボンの都市的地域は行政区としての市域を越えて広がっており、人口は300万人を超え、面積は958平方キロメートル(370平方マイル)を占めており、欧州連合域内では11番目に大きな都市圏 を形成しています。

 

世界遺産のジェロニモス修道院の「ジェロニモス」とは、342年頃に現在のクロアチアで生まれて、420年に没した「聖ヒエロ二ムス」のことです。つまり、「聖ヒエロニムス」にあやかったヒエロニムス会の修道院ということになります。

そのジェロニモス修道院は、ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓および、エンリケ航海王子の偉業を称え、1502年にマヌエル1世(1469-1521)によって着工され、1511年に回廊など大部分が完成したものの、その後の、マヌエル1世の死やスペインとポルトガルの同君連合による中断等もあり、最終的な完成には300年ほどかかりました。
その建築資金は最初バスコ・ダ・ガマが持ち帰った香辛料(コショウ)の売却による莫大な利益によって賄われ、その後の建築資金も香辛料貿易による利益によって賄われたということです。

 

「ジェロニモス」は、イエス誕生の地、ベツレヘムで修道院生活を送りながら、聖書の正確なラテン語翻訳をおこなった人物で、彼の訳が、カトリックの公認ラテン語訳聖書となったのです。

 

「聖ヒエロニムス(ジェロニモス)」を描いた宗教画です。ジェロニモス修道院に飾ってあるものを撮影しました。

 

ジェロニモス修道院を最も有名にしているのが、2階建て構造となっている中庭を見渡す回廊です。

 

回廊とは、修道士たちが、修行のために瞑想をしながら歩く場所のことを指します。

 

ジェロニモス修道院のチャプターハウス(集会場)の建設は 1500 年代に始まりましたが、アーチ型の天井と室内装飾が完成したのは19世紀になってからでした。結局は、修道士たちの集会の場としては使用されませんでした。現在はポルトガルの有名な作家や大統領の墓として使用されています。

 

ジェロニモス修道院の一番の見どころである回廊付きの中庭です。

石灰岩で造られた修道院は、一辺が300m、中庭を囲む回廊は55m四方という壮大なものになっています。

 

食堂内の壁を装飾しているアズレージョ(ポルトガルの装飾タイル)です。

 

ジェロニモス修道院に附属しているサンタ・マリア・デ・ベレン教会です。

西門から入ってすぐの所に、ヴァスコ・ダ・ガマとルイス・デ・カモンイスの棺が安置されています。

ヴァスコ・ダ・ガマは日本の中学校の社会科で学習するので、日本人にもよく知られているのですが、大詩人のルイス・デ・カモンイスは、ごく普通の日本人には無名の存在に近いです。

 

サンタ・マリア・デ・ベレン教会に安置されている国民的英雄ヴァスコ・ダ・ガマの棺です。

 

同じく、ポルトガル史上最大の詩人であるルイス・デ・カモンイスの棺です。カモンイスのポルトガルでの知名度は、日本でいうと俳人の松尾芭蕉というところです。この画像は、他の入場者が邪魔になり、横からの撮影はできませんでした。

 

ジェロニモス修道院の近くにある、エッグタルトで有名な『パスティス・デ・ベレン(1837年創業)』です。ここの「パステル・デ・ナタ(ポルトガル語でエッグタルトのこと)」は特別(ジェロニモス修道院から伝えられたという秘伝のレシピを守って作られるもの)なので、「パステル・デ・ベレン」という、この店だけの名前がついています。

「パステル・デ・ベレン」を買い、実際に食べてみました。美味しかったです。

 

リスボンのトラム15E系統は連接車(500形)で運行されています。

南仏で6月に開催される「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(世界最大級の広告賞)」の広告の車体でした。

 

ポルトガルの軍人パイロット サカドゥラ・カブラル(Sacadura Cabral)と航法士ガーゴ・コーチニョ(Gago Coutinho)の二人が、二人乗り水上飛行機で、1922年3月30日〜6月17日にかけて、リスボンからリオデジャネイロまでの横断飛行(初の南大西洋横断飛行)に成功したことを示す記念碑(レプリカ)です。本物の機体はジェロニモス修道院西端に入口がある『海洋博物館』に展示されています。

 

世界遺産のベレンの塔です。

 

ベレンの塔はリスボンのベレン地区にある塔で、「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」の構成資産として世界遺産リストに登録されています。16世紀にマヌエル1世によってヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して作られたテージョ川の船の出入りを監視する目的の要塞だったものです。建築様式はマヌエル様式です。

 

大航海時代の記念碑「発見のモニュメント」です。

帆船がモチーフの高さ52メートルの記念碑です。1960年に、エンリケ航海王子の500年忌を記念してつくられました。

 

関係者がキャラベル船に乗った状態で描かれています。(船首部分) そして今まさに船出をしそうに、テージョ川(海)を向いています。 船の先頭にいるのは、エンリケ航海王子です。 そして左舷には、ヴァスコ・ダ・ガマ、アルフォンソ5世、 バルトロメウ・ディアス、フランシスコ・デ・ザビエルなどが乗っています。

 

テージョ川と4月25日橋です。

4月25日橋は1966年8月6日に開通しました。建設したのは、サンフランシスコのサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジと同じアメリカン・ブリッジです。開通した当初は、当時のポルトガルの独裁者アントニオ・サラザールにちなみ、サラザール橋と呼ばれていましたが、1974年4月25日のカーネーション革命(軍事クーデター)のすぐ後、革命が起こった日から名前をとって改称されました。

(つづく)