シャーロック(2) | 鉄道で行く旅

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日曜日の午後編です。

地下鉄のバービカン駅へ。

 

ここは、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」の物語の中で「We(ホームズとワトソン博士)」が地下鉄を利用する場面で出てくる行先です。

We travelled by the Underground as far as Aldersgate and a short walk took us to Saxe-Coburg Square,

この記述は、The Adventures of Sherlock Holmes by Arthur Conan Doyleに収録されているThe Read-headed Leagueからの引用です。なお、この作品の邦題は「シャーロックホームズの冒険」の中の「赤毛連盟(または赤毛組合)」です。
注:Aldersgate(オルダースゲート)の駅名は、オルダースゲート&バービカン駅という駅名を経て、1968年12月1日から現在のBarbican(バービカン)駅になっています。

 

右側のホームはナショナル・レールのテムズリンク・ムーアゲート支線の廃線跡です。

 

ピムリコ駅まで移動して、ロンドンの美術館の一つのテート・ブリテンに入館しました。

8年ぶりに見たジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」です。ヨーロッパの主な美術館ではフラッシュなしであれば写真撮影が可能ですので、記念に撮影しました。

ミレーの「オフィーリア」といえども、この美術館では多くの名作のうちの一つに過ぎないため、独占状態で鑑賞することができました。この他では、ターナーの作品を中心に鑑賞しました。

 

テート・ブリテン前からタクシーに乗車し、ある場所に向かいました。

BBCの「シャーロック」のシーズン3に出てくるレインスター・ガーデンズです。中央にある2本の木の裏の部分がダミーのような壁だけに近い状態になっている建物です。

近づいて観察すると屋根裏部屋がないところの下部(窓がスリガラスになっている部分)が空疎な部分のようでした。

 

裏側に回ってみると、こんな感じです。ロンドン地下鉄が、まだ蒸気機関車の時代に作られた換気孔のようです。ロンドンの地図にも「Rail Tunnel Vent」と書いてありました。

 

日曜日の夕食です。

コンシエルジュに予約してもらっていたレストラン「シンプソンズ・イン・ザ・ストランド」に向かいました。

シンプソンズは老舗ホテルのザ・サヴォイが経営するレストランで、ザ・サヴォイに隣接しています。利用後のクレジットカードの請求明細の請求元も「THE SAVOY HOTEL LTD」になっていました。

 

シンプソンズの入口です。

 

このレストランは、シャーロック・ホームズの「The Adventure of the Dying Detective(瀕死の探偵)」とThe Adventure of the Illustrious Client(高名な依頼人)に登場します。

その中でも、「高名な依頼人」では、下の記述の前に1902年9月の話であることが書いてありますので、私の今回の旅でのレストラン利用の114年前にホームズ(シャーロック)とワトソン(ジョン)が、同じ店で食事をしていたことになります。

It was not possible for me to follow the immediate steps taken by my friend, for I had some pressing professional business of my own, but I met him by appointment that evening at Simpson’s, where, sitting at a small table in the front window and looking down at the rushing stream of life in the Strand, he told me something of what had passed.

現在のシンプソンズの食堂部分は1階だけが使われていますが、ホームズの時代には2階も使われていたようです。ホームズたちが座った席は2階のストランド街に面した窓に隣接したテーブルだったと考えられます。つまり、1階玄関の真上の部屋ですね。

また、高名な依頼人が誰かというのは、ホームズと同様で「言わぬが花」だと思います。ご参考までに書いておきますと、1902年はヴィクトリア女王の崩御後ですのでエドワード7世の時代になっています。

 

この日のメインディッシュのシンプソンズ・ローストビーフ、ポテト、ヨークシャー・プディングです。

イギリス料理なので、食べるまでは不安でしたが、スターター(スープ)、メインディッシュおよびデザート(カスタードのスポンジケーキ)の全てが口に合うものでした。総合的にみても結構おいしかったと思います。

ワインは英国人好みのボルドー(仏)の赤ワインを注文したかったのですが、グラス単位で注文できる範囲では気に入ったものが見当たらなかったため、カリフォルニアのナパバレーの赤ワインをオーダーしました。
このシンプソンズの食器はロイヤルドルトンでした。