年末から年始にかけて、私の読書はハズれ続きでした
私の本の選び方は
①好きな作家さんを追いかける
②新聞の書評欄を読んで面白そうなものをピックアップ
③まったくのカン
のどれかなんです。
ちなみに、売れている本ランキングとか、直木賞・芥川賞を獲った獲らないはまったく参考にしません。
自分にハマるかどうかはまったく別の話なので、「みんな」のお勧めはアテにしないの。
ラーメンと一緒ね。
あれもおすすめがハマった例しがない
年末年始は③で本を選んでいたんですけど、どうやら射手座のB型の呪いが発動しているようで、カンが外れてるんだよね。
そのうちの1冊が、古野まほろさんの小説『禁じられたジュリエット』。
この本の内容は、こんな感じ
一部が戦争状態にある日本。
退廃文学として禁書となっている「ミステリ小説」に触れてしまった6人の女子高生がいた。
彼女らは「囚人」となり、同級生2人の「看守」役に管理されながら、思想更生プログラムを受けることを強いられる。
8人は協力して「監獄ごっこ」を乗り切るはずだったが、プログラムが進むうちに看守役はどんどん「看守」らしくなっていき、囚人たちの尊厳を踏みにじる要求を次々と出してくる。
「囚人」と「看守」の対立は激化し、ついに悲劇が起きる!
という、スタンフォード監獄実験を思わせる、ミステリ小説です。
じつはこの本はいわくつきで、5年くらい前に北海道大学の推理小説研究会が、この本の感想をツイートしたところ、作者本人からツイッター上でものすごい罵声を浴びせられたらしいのだよね
バカとかクズとか言うだけでなく、北大の偏差値をバカにしたり、北海道を蝦夷地と呼んだり、学生のことを猿よばわりしたみたい
ちなみに作者ご本人は東大法学部卒で、リヨン大学の院を出ている超・才媛なんだそうだ。
私が知る限り、北大推理小説研究会の感想は誹謗中傷なんかではなく、ごくごく普通の感想だ。
なんなら私のほうがこのブログでひどいこと(後述)を書いている
なのに、作者がそんなにブチギレするって・・・どういうこと?
小説にどんな感想を持とうと自由だし、自分のツイッターやブログに本の感想を書くのも自由でしょ?
しかも、相手は学生だよ?
いや、学生だからなのか。
書評家や評論家に同じこと言われても、古野さんはその出身大学を調べて偏差値をバカにしたりはしないだろうな。
相手がオックスフォード大学とかケンブリッジ大学卒だったら、そもそもこのテは使えないしね。
「エリートあるある」で批判されることに慣れていないため、「目下の者」にちょっと言われただけで猛然と牙をむいたのか、それともメンタルをやられている時期だったのか・・・。
などといろいろ考えてワクワクしながら読んでみると・・・。
うん、北大推理小説研究会の感想、あたってる
ネタバレするからあまり言えないけど、看守役の壮絶ないじめを含め、途中の「え!これって劇だったの?」ってところまでは面白かったのに、そこから二転三転して(メタのメタってやつですね)いくと、どんどん「ええ~~?」って感じになっていき、ラストは「未来はあなたたちの肩に!」的な陳腐な終わり方になって、尻すぼみ
下北沢でもあんまり売れてない小劇団のお芝居じゃないんだから、こんなラストって・・・。
すごく凝った構造で、人間性を叩きつぶす拷問センスとか、本能をむき出しにする女子高生たちの描写はとても面白かっただけに、後半&締めが非常に残念だった。
友達が撃たれて死んで?いるのに推理ごっこをしている場面は、本格推理をいじってるのか!うわ、おもろ!!と思ったけど、そうじゃなかったみたいだし
あと、すっと納得できない展開やスムーズでない話の流れもけっこう目につくのよね・・・。
とくにタイトル。
作中にちょっとだけ描写があるけどピンとこないし、この内容でタイトルにまでジュリエットをもってくるのは、強引すぎないか?
と、こんなことを書いてしまったので、私も作者にめっかったら、すごい罵倒されると思う
出身校の偏差値も限りなくヤバいし😱
でもねえ、古野さん。
あなたがこの本で主張したかったことのひとつは、こういう言論の自由じゃなかったの?
どんな本を読んでもいいし、本から何を感じてもいい。
ミステリはくだらないパスルじゃなく、正義の文学だ。
とおっしゃるのならば。
ここはひとつ、愛するわが子、正義や公平を重んじるミステリに、「好きに読まれる自由」も与えていただければ幸いです🙏