宣伝と日記
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なんだコイツ

劇団マカリスター公演「なんだコイツ」が終わりました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。今回もなかなかに楽しかった公演でした。やはり、今自分が面白いと思ってる内容、演出方法だからまず稽古の時から見ていて楽しい。そしてその延長線上で本番がやってくるので本番も楽しかった。そして出演者の皆様の存在も大きい。

今回は僕ははじめましての人はいなくて、なにかしらで一度は仕事している方々が集まってくれました。「グランステージ」という舞台で一緒だった中山咲月くんだったり、Gロッソのヒーローショーで一緒だった柳美稀ちゃんだったり、後は過去の舞台や前回公演「ヌシのハラ」で一緒だった人たちでした。

主演の二人はとても重要な役どころで(主演なんだから当たり前だが)見事に作品を引っ張ってくれました。中山くんは元々とても雰囲気がある人なので、うまくはまれば立ってるだけで空間を引っ張ってくれると思っていましたが、見事にそんな感じになってくれました。物語の流れ上、伏兵みたいな役割だったので、ここぞという所からの場の握り方は凄くよかったです。柳さんは以前から映像に出演されてるお芝居も見てたので、実力がある人なのは知っていたので大丈夫だろうとは思っていたのですが、あのわけのわからない女「師走子(しすこ)」という役を見事に演じてくれてました。あの子の師走子ちゃんへの振り切り方は大正解という感じで、なんて勘の良い人なんだと感服でした。他の皆さんもそれぞれの個性を発揮してくれて凄くよかったです。家族をはじめ、それぞれのキャラクターがとても良いバランスで調和されていたと思います。

劇団初のサスペンスということで、本気で怖がってた方もいたようですが、悲劇と喜劇は紙一重というか、人間の狂気も滑稽に見えて可笑しくも見えるものです。サスペンスの描写の仕方で怖くも可笑しくも見えたい、そんなところがやりたかった。まあ、最近よく引き合いに出すけどコーエン兄弟とかタランティーノとかのあの感じですかね。そもそも、僕はホラーを見てても怖いというよりも楽しんで見てしまうところがあるので、同じ感覚で見てもらえたらなと一方的な想いはありました。結構楽しんでくれたいた人もいてくれて、凄く嬉しい感想もいただきました。関係者で言うと、僕が最も敬愛する堤幸彦監督にもご覧になっていただき、とても嬉しい感想をいただきました。その他にもお世話になってる監督さんやプロデューサーさんにもお越しいただきまして、皆さん嬉しい感想をくれました。ありがとうございました。(みんな書くと大変なので個人名は割愛させていただきます)

「ヌシのハラ」から演出の仕方だったり、作品の方向性だったりと、気分が変わって色々と変貌してるので、それ以前のコメディ主体でやっていた僕の作品を好きな人には受け入れづらいものだったかもしれませんが、それはもうすいませんとしか言いようがない。前みたいのを期待されてもできないし、もっとこうしてと言われてもなにもできないというか、普段仕事で「ああしろ、こうしろ」言われてるものだから、それから解放された「劇団」という中で作るからこそのマカリスターなので、正直誰になにを言われても変わることはないと思います。つまらないなら無理に見ていただかなくても、としか言いようがない。ちなみにもっと笑いたかったという感想だけで言うなら、厳密には笑いどころは山ほどあって昔みたいに親切にツッコんだりしてないっていうだけで実は何も変わってないんですけどね。もちろん、まだまだ試行錯誤をしながら作品作りはしていくとは思いますが、んー、老若男女みんなに許容していただけるようにみたいなものは難しですよね。

ツイッターにも書いたんですが、元々これは映像作品の発想だったもので、舞台でこれをやるにはどうしたらいいだろうかとかなり悩みました。舞台だろうと映像だろうとストーリーは変わらないんだからなにを悩む必要がある、と思われるかもしれませんが、人にもよるとは思いますけど僕はそれでは考えられなくて、ドラマならドラマ、映画なら映画、小説なら小説、マンガならマンガ、アニメならアニメ、舞台なら舞台、同じストーリーでも表現の方法が全然変わってくるし、それによって構成をはじめ色んなところが変わってくる。僕の感覚では、舞台は「生で見れる人間の蠢き」みたいなもので、例えば駅の改札の前あたりでカップルがケンカしてるのを見かけるみたいなもので、なに言ってるかはわからんがその剣幕と形相と身振り手振りと立ち方と声のトーンと大きさと、もう色んなものが相まってなんだかおもしろい、こういうものを見せるのが舞台だと思っています。だから、超乱暴なこと言うと神様が作った物語なんか必要なくて、そのカップルのそのケンカこそが物語に見えてくるのが理想な気がしている。それを100分近く見せるにはどうすべきか、それを悩んで作らないとならないという感じ。だから舞台を観てもらった感想で物語のダメ出しをもらったとしても、そもそも見せる気がないからそうでしょうねとしか言いようがない。そんな風に人間を見せるとなると、映像のようにテンポよくシーンを変えることもできないし、とは言えシーンが変わっていかないと成立しないような作品でもあったので、その部分で色々と悩みました。でも、結果的には良いバランスでできたんじゃないかなと。いい感じに雑で不親切な構成も気に入ってます。あれだけ頭殴られた人がただの石頭という理由で軽傷だったり、店の主人が猟師という理由だけで突然ライフル出したり、あんなの普通の映画やドラマだったら絶対受けれてもらえない。

そんなわけで、総じてとても満足のいく作品に仕上がった「なんだコイツ」でした。これはまたやりたい気持ちがある作品ですね。もちろん映像でもいいです。誰か出資してください。待ってます。アイスもおごってください。バカなこと言ってないで締めます。

改めまして、ご来場いただきましてありがとうございました!

次回公演「ヌシのハラ」をやるにあたり

ずっとブログも更新してませんでしたが、長々と文章を書けるのはここだけなので、この度、自分が主宰する劇団マカリスターの次回公演を開催することが決まったので宣伝もかねてせっかくだからいろいろお話しようかと思います。

 

前回の公演「かかりがかり」は、新型コロナウィルスの猛威のギリギリ直前で、ほんと終わって一週間後から公演を中止する舞台が多くなっていく状況でした。

 

それから、僕はしばらく公演を打つ気はありませんでした。

 

コロナ中に公演を行うのもハイリスクだし、仮に公演を打てば何千の人間が寂しがるようなエンターテインメントならば元気をなくした人々のためにとも思えますが、別に大して人気もない劇団なので自粛自粛言われてる時にやる必要性を感じられませんでした。

そういう意味では、ヒーローショーには必要性を感じていたので、そちらを一生懸命頑張らせていただきました。

 

そしてそれだけではなく、劇団マカリスターで公演を行うことにも興味が薄れていました。この時期、もう終わりにしてもいいかなと思ってもいました。

 

あの頃は舞台という意味ではヒーローショーだけしかやっておらず、しばらくして「六番目の小夜子」のお話をいただき、久々の舞台だなと思いながら打ち合わせを進めておりました。そうすると、やはり舞台に対しての興味が再び起こり、そろそろ演劇をやろうかなあと思うようになっていきました。

 

そうなってくると、当時の劇団マカリスターではイメージが湧かず、劇団員には無理を言って体制を変えさせていただきました。

 

そもそも、宮澤翔と二人でなにかやろうかと始めたのが最初で、わがままを言ってその時の状態にもう一度戻させていただきました。

 

昔からずっとやりたかった下北沢駅前劇場をお借りさせていただくことにもなり、まだまだコロナの大変さはあるだろうけどやってみるかと次回公演に向けて動き出しました。

 

「六番目の小夜子」の稽古が始まると、やはり演劇の楽しさを久々に体感することができました。新国立劇場というのも楽しかったし、キャストのみんなもとてもよかった。みんな前向きに芝居に向き合ってくれてて、あの時期に彼らと芝居を作れたのは凄くよかったと思います。

 

演劇をやっていない間、色々と映像の仕事をやりました。「魔進戦隊キラメイジャー」キラメイジャーのスピンオフ「ヨドンナ」「探偵がうつる」「仮面ライダーショートアニメシリーズ」「私の正しいお兄ちゃん」「世にも奇妙な物語『スキップ』」「顔だけ先生」「あせとせっけん」など。

とても勉強になると同時に、ふつふつと自分の中にある「好き勝手に作りたい」という魔物が育っていきました。

 

演劇にしても、ドラマにしても、映画にしても、音楽にしても、コロナ前とコロナ後では(少なくとも僕は)面白いものが変わったと思う。やはり価値観というものが大きく変わった。虚構の中でどんなに大変な状況が起きたとしても、それ以上に現実が大変だ。戦争に負けてこれから新たな時代が作られて行くんだと未来を見据えていた頃とは違う、平和の中で青春や恋愛や仕事に躍起になっていた頃とは違う、そんななかで我々は芝居とかいう人間がセリフをしゃべって人前で演じる行為をやるわけだ。なにかをやるということは流れている川に石を投げ込んでいくような行為であり、そんな人からしたら迷惑なことをするからには、思いっきりやるしかないと開き直るしかないわけだ。

 

そしてとても魅力的なキャストが集まってくれました。

 

主演の奥山かずささんは特撮好きの人ならすぐにわかるでしょうが、「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」のパトレン3号で勇ましくも可愛らしいヒロインを演じていた方で、個人的にはシアターGロッソのヒーローショー以来でご一緒させていただきます。奥山さんは今回が初舞台らしく、とても意欲を持ってくれてるのでありがたいのですが、要はGロッソのヒーローショーぐらいしか舞台をやっていないというわけで、たしかに当時は右も左もわからない感じでただただ真摯に芝居を頑張ってくれていたのですが、その時の印象が凄くあって、きっと舞台においての変な癖がない人間味のあるお芝居を見せてくれるだろうと期待しております。

 

岩井七世さんは過去に二回ほどご一緒させていただいており、マカリスタ―では一度出演してもらっています。岩井さんは演劇界では引っ張りだこなんで、今回受けていただけたのがとてもありがたいのですが、人気者にはちゃんと理由があって、実力があるのはもちろん、それだけじゃない面白さがある方でして、今回自分がやりたい世界には必要不可欠な方でした。また面白い一面を見せていただけたらと思っております。

 

広山詞葉さんは初めてご一緒させていただくのですが、少し前に堤幸彦監督作品「truth~姦しき弔いの果て~」に出演されていて、この映画は三人の女優さんが出演されているのですが、なんと皆さんがプロデューサーの自主映画というとんでもない映画なんです。この映画を見た時に、映画から伝わる熱も凄かったし、素敵な役者さんだなと思い、しかも、僕が過去に脚本を書いたドラマ「噂の女」にも出演されてまして、これはなにか縁があるなと思って思い切ってオファーさせていただいたら引き受けていただけたのです。一緒に芝居を作っていけるのが楽しみです。

 

長濱慎くんは前回の「かかりがかり」にも出演してくれてましたが、今回も出演してくれることになりました。長濱くんは、とにかくいい奴。まだお芝居の一面しか見てないので、色んな面を見せてくれるのを期待しております。

 

あとの方々は長くなるので割愛しますが、きっと面白いものを作ってくれるはずです。

 

まだまだ油断できない状況ではありますが、是非、劇場に足を運んで観に来ていただきたいと思っております。

 

ふつふつと自分の中で生まれて育ってきた魔物が、色んな人の力を借りてきっととんでもないものになっていることだと思います。

 

いつもはコメディとうたって上演してきましたが、今回はコメディとは言いません。

 

一体どんな話なのか、どんなジャンルなのか、それはご自身の目で確認していただきたいです。

 

まあ、僕は稽古場でケラケラ笑わせていただいてると思います。

 

それでは、以下は詳細になります。

 

宜しくお願い致します。

 

「ヌシのハラ」

 

作・演出
井上テテ

出演
奥山かずさ
長濱慎
宮澤翔[劇団マカリスター]
岩井七世
広山詞葉
中西広和[おなかポンポンショー/ドリル饅頭]
白井雅士
岩崎康幸
高橋蟹丸
井上テテ[劇団マカリスター]


あらすじ

とあるイベント会社は、突如現れた怪物「ヌシ」のせいで経営ができずに困っている。
なにがなんでも自分が担当するイベントを開催させたい女性社員。
だが副社長の一言で中止が決定された。
女は副社長を会社から追い出すためにとある策を講じる。
のだが。



公演会場
下北沢 駅前劇場

公演スケジュール
2022年6月1日[水]~5日[日]

1日(水)19:30※
2日(木)14:00※/19:30※
3日(金)19:30
4日(土)14:00/19:30
5日(日)14:00

※ 第七回公演「かかりがかり」記録用DVDプレゼント
受付開始 開演の45分前
開場 開演の30分前

■ 未就学児童の入場は、ご遠慮いただいております。
■ ご来場の際は必ずマスクを着用の上、ご来場ください。
■ 新型コロナウイルス感染拡大予防に対する、運営方針・公演に関する取り組み・お客様へのお願いについては、本WEBサイトにて随時お知らせいたします。

チケット
前売5000円
当日5500円
[全席指定・税込]

2022年4月16日[土]10:00より発売開始 !!!

専用予約フォーム
https://ticket.corich.jp/apply/131204/

スタッフ
照明/今西理恵[LEPUS]
音響/筧良太
舞台監督/白石定[ステージワークス]
宣伝美術/中塚健仁
制作/劇団マカリスター
協力/アンドリーム/イトーカンパニー/オスカープロモーション/シュシュセゾン/フロム・ファーストプロダクション[五十音順]

企画・製作/劇団マカリスター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ザ・スーサイド・スクワッド」を絶賛したい

ここ最近ツイッターでしょっちゅうスーサイド・スクワッドのことつぶやいてるんでまたかと思うかもしれませんが、このあふれ出るスースク愛はきちんと文章にしておきたかったんで書きます。興味あったら是非見てみてください。ランチタイムや通勤時間のお供など、暇つぶしにどうぞ。

ただ、ネタバレありで書きますんで、見たくない人は読まない方がいいと思います。

 

(>_<)←この顔文字でご勘弁。

 

(>_<)(>_<)←二つのっけときます。

 

というわけで、『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のすばらしさを書きたいと思います。

なぜこういったものを書こうと思ったか。それは、この映画が大好きだからです。

 

一応知らない人のために言っておくと、「スーサイド・スクワッド」はバットマンやスーパーマンのDCコミックが原作で、2016年に一作目が公開されております。

ジャスティスリーグ、アベンジャーズの悪者版でして、悪者が徒党を組んで活躍する話です。ジョーカーのオンナ、ハーレイ・クインが有名です。一作目はハーレイ・クインこそ大バズリしたものの、映画としてはそこまでハネはしませんでした。

まあ、この頃、DC映画もジャスティスリーグがあったからその辺の繋がりとかいろんなしがらみもあったのかもしれないですね。

 

だけどマーベル映画の精巧な繋がりとは違って、DC映画は割と各映画で好きにやろうぜみたいな空気になった感じが出てきて、そんな時にこのスーサイド・スクワッドの新作がやってきたわけです。

 

監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン。続編というわけではなく、いわゆるリブートという感じの、前作のいい所は踏襲しつつ、あくまでも改めて作られたスーサイド・スクワッドです。まあ、スパイダーマンがそんな感じでいっぱい作られてますよね。ただ、おんなじ役者も出てるんで、リブートと続編の狭間みたいな感じ。

 

まあ、そんな感じの新作なわけなんですけど、とにかく新しいスーサイド・スクワッドが素晴らしい!

だからこれ書いてるわけですが、あくまでも私見です。僕が大好きなんです。この映画。

「はあ?」とか「そこまで?」と言われても知りません。僕が大好きなんです。

そんなわけで大好きなポイントを紹介していきたいと思います。

 

まず俺の大好きポイント①

 

「バカバカしくて泣ける」

 

これはほんと僕がどストライクなところ。バカバカしくて泣ける映画がとにかく好きなんです。

ちなみにこの映画を見る前は今年上半期の大好き映画トップ1は「ピーターラビット2」だったんですけど、これもバカバカしくて泣けるんです。

そう、そんな嗜好を持ってる人間が言ってることなんで、そのつもりで読んでください。

 

そして俺の大好きポイント②

 

「悪者主人公をうまいことやった」

 

これが、すごく難しいと思うんですよね。スーサイド・スクワッドは正義のヒーローじゃダメなわけで、じゃあダークヒーローかというとそれもなんか違う。ダークヒーローって、ダークナイトのバットマンみたいな奴だから、あくまでも根底に正義があるんだけどスーサイド・スクワッドは、刑務所に収容されているヒーローの敵が徒党を組んで戦う話。

 

まあ、そもそもの設定として、頭に爆弾を埋め込まれて、政府から言われたとおりに任務を遂行したら刑期を短くしてやるというのを条件に政府側について戦っていくというものなのですが、そこには正義もなにもないわけです。

 

でも、映画としては観客が感情移入できて、悪い敵を倒すヒーローとなっていないと見ていて面白いわけがない。だからおのずとヒーローになる展開になる。このさじ加減が、ジェームズ・ガンが凄いなと感嘆する部分でございます。

 

正直一作目は、無理矢理最後の方がヒーロー展開になって、「あれ?君たちって、凶悪犯じゃなかったっけ?」というのがあったんですけど、今回は僕はまったくそれを感じなかった。

 

なぜそれを感じなかったか。多分ですけど僕の私見では、みんなどこか天然バカだからなんじゃないかと。ちゃんとしてるところはしているし強いのに、ちょっとずれてるところがあるからこそ凶悪犯になってるし、捕まってるしという感じ。だけど基本は憎めない奴ら。だから、子供を殺すなんて許せないって怒って人を殺しても違和感がない。身勝手で残虐なんだけどいい奴。そもそもこの映画R15なんですが、なぜかというとグロい描写がちょこちょこあるからで、顔が吹っ飛んだり、身体が裂けたり、頭がもげたりと容赦ないわけですが、この演出がとてもミソなんじゃないかとも思ってまして、こいつらの敵を倒す時の容赦なさは完全に凶悪犯なんだけども凄く平然とそれをする。ここに凶悪犯らしさが出ている。普通に考えると人道に外れているんですけど、そこはジェームズ・ガン、映画全体に流れるバカバカしさで嫌な気持ちになれずに見れるんです。そもそもグロいのダメな人はまず無理でしょうが。

 

それに付随して大好きポイント③

 

「キャラクターが最高」

 

これが一番大事なところなんだと思います。ほんと映画ってキャラクターだなと再認識させられる。キャラクターとストーリーが見事にマッチしていて、このキャラクターたちがいるからこのストーリーになってるし、このストーリーはこのキャラクターたちじゃないとできないっていうバランスのすばらしさ。

 

まず、冒頭に出てくる無駄に死ぬ奴ら。

 

実を言うとハーレイクインが出ることぐらいしかよくわかってない状態で見始めた私は、「あー、これが今回のスーサイド・スクワッドのメンバーなのね」と思って見始めたわけですけど見事にジェームズ・ガンにやられました。もう見るも無残に殺されて行き、「なにごと!?」と思ったら、わきっちょから出てくる本来のメインメンバー。

 

そしてメインメンバーはとても素晴らしい。ジェームズ・ガンのセンスが溢れている。ジェームズ・ガンだったり、誰かがDCコミックのどの悪者使おうか会議をしたんでしょうけど、みんな凄いようで大したことないような、でも凄いっていう、なんか、言葉では言い表せない絶妙なセンス。大好きだ。

 

そうなると大好きポイント④

 

「今回のハーレイが最高」

 

ハーレイクインはスーサイド・スクワッドの一作目で銀幕デビューをし、「ジョーカーの女という肩書」「見た目の可愛らしさ&カッコよさ」で大人気者になったわけですが、正直一作目はハーレイのキャラクター性でなんとかなってただけと言っても過言ではなく、映画の中にいるハーレイはなんだか消化不良だった(俺はね)。なんか、このキャラクターだったらもっとなんかやってくれそうだし、もっとなんかやってくれるんじゃないか!?と同じことを二度思うほどの「なんかやってくれそう感」のあるキャラクター。なんだかこのキャラクターがでかすぎて扱いきれてなかったんじゃないかとも思える。

 

そしてそんな人気者ハーレイは「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」でソロデビュー。女性版スーサイド・スクワッドみたいな感じで強い女性キャラを引き連れてなんかやってくれてたんですが、やっぱりもっとなんかやってくれるんじゃないか!?と思って見てしまっていた。遊園地で戦ってるんじゃビーバップハイスクールと同じじゃねえか、と思わず叫びたくなるような感じ。

 

そして今回のハーレイ・クイン、待ってましたという感じ。ついに俺が望むなんかをやってくれたんです!そのなんかがなんなのかはわかりませんが、今回はかっこよかった。アクションもそうだし、普段の立ち振る舞い、他キャラクターとのポジショニング、いろいろ素敵だったなあ。

 

僕の好きなシーンで、ハーレイがとんちんかんなこと言いながら「あんた死ぬよ」と言っていくシーンがあるんですけど、ああいうところも最高だった。

 

そして、今回は素敵な女性がハーレイだけじゃないんですよ。

 

大好きポイント⑤!

 

「ラットキャッチャー2が最高!」

 

ラットキャッチャー2というのはキャラクターの名前なんですけど、お父さんがラットキャッチャーでその娘だからラットキャッチャー2なんです。原作ではお父さんのラットキャッチャーしか出てこないようなんですが、ジェームズ・ガンが膨らませて娘にしたらしいんですね。ほんと最高のセンスだなと思う。なにするかっていうとネズミを操れる能力を持ってるんですけど、まあとにかくこの子がキュート。このメンバーの中の良心と言う感じでこの子に関しては完全に悪者ではない。なんか流れで捕まってるだけみたいな子。だけどすごい寝坊助で天然。お父さんとの思い出が忘れられず、お父さんからもらったネズミを操るランプを使って困ったときにはネズミを使ってやり過ごす。キングシャークっていうサメの怪物みたいなののお友達になってあげる優しさを持ち、人間を実験しようとする政府に対して怒りの感情をあらわにする。こうやって書いてるとほんと良い子だな。なんで刑務所にいるんだろう。まあ、その辺が大して気にならないのもジェームズ・ガンの作風のなせる業なんでしょう。

 

そしてこの子が最後大活躍するんですよ。涙を流しながら。もう、これが、おじさん見るたびに泣いちゃいまして。おいおい、後半の展開素晴らしすぎるじゃないか、と。大好きポイント①の「バカバカしくて泣ける」の泣けるがこの辺に来てます。まあ、ラットキャッチャーだけが要因ではないんですが。

 

そんな終盤の展開もこみで大好きポイント⑥

 

「先の読めないストーリー展開」

 

とにかく序盤からなにがどうなるのかわからないんですけど、変化球なのかストレートなのか判然としにくいというか、すごく変化球で進んでると思ったら急に胸熱なベタ展開になり、と思ったらまた裏切られ、と思ったらエモい展開になるみたいな、ヒーローものなんてある程度展開は読めるところを、全然どうなるのかわからなかった。あの指令の人がゴルフクラブで殴られるところなんかもちょっと考えればわかるところだけどまったくわかんなかったもんな。それでいて巨大な怪獣登場という日本ではありきたりな展開を見せたりするし、そしてそれがワクワクしか生み出さないし、まあ、とにかく最高。

 

そして最後の大好きポイント⑦

 

「グロさと芸術性」

 

このさじ加減はめちゃめちゃドツボでしたね。もちろんグロいのは気持ち悪いんですけど、それだけじゃないシーンもいろいろあって。やはり根底に『「悪者」「汚いもの」の輝き』みたいなものを感じる。なにせ悪者が主役側ですから。その象徴はやっぱりネズミですよね。ネズミが美しく活躍し、あの巨大怪獣の目の中の美しさ。本来あれだって気持ち悪いんだけど、それをあんなに美しく見せるなんて、大好きすぎる。当たり前のものだったり、ちょっと嫌なものも角度を変えれば美しく見えるというのは素敵ですよね。結局、バカバカしくて泣けるというのもここに通ずるんじゃないかなと思える。ロック調の音楽もなんかちょうどいいんですよね。

 

そして本当に最後に大好きなシーン。

 

みんなが怪獣と戦うことに決め、司令官が頭を殴られて気絶。街の人たちを救おうと他の司令の人たちから指示をもらう。シーンとしてはその後。街の人たちが逃げ惑うなか、まずは怪獣に向かってトコトコと歩く一行。そしてハーレイが履いているブーツを指で直し、そこでBGMが入り、ハーレイがまずはゆっくり走り出し、それに呼応するように他のみんなも走り出す。気が付けば全力疾走でみんな横並びで走っている。ここが大好きなんです。この何気ない一幕って、実はあんまりこういうヒーローもので見れない気がするんですよね。よくあるのが、ダダダッと走って怪獣の前に立ってバッと構える、だと思うんですけど、なんだこの徐々に盛り上がる感じというか、なんかやけにリアリティがあって彼らが街の人を助けるために怪獣に向かっていくっいうのがすごく伝わったんですよ。あの何気ないところに曲が入ったことで凄くドラマティックに見えてるのもミソなんだと思います。

 

どの映画にしてもリアリティのさじ加減によって面白さって凄く変わると思うんです。そしてそこに監督や制作陣のセンスが浮き彫りにされてると思うんです。リアリティのある刑事ものに見せようとしてるのにバッチリヘアメイクに美形役者ばかりが揃っていると違和感を感じるし、逆にそれなら思い切ってエンタメにふってくれた方が違和感を感じないみたいな。

 

そしてそのリアリティのめもりは人によって違うもので、そこにハマるかどうかは人それぞれなんだと思うんです。そしてこの作品は、僕はバッチリハマってしまった。

ジェームズ・ガンって人は、元々ヤンチャな作品を作る人なんだろうけど、こういう原作モノを広げるのに向いてるんだろうな。ガーディアンズもカセットテープとかフットルースとかナイトライダーとか色々センスが光ってましたもんね。

 

とにかく、長々と書いてきましたが、こんな楽しい時間を過ごせる映画を作っていただけたことにただただ感謝したい。

 

そしてここまで読んでくれた人もいたら感謝したい。

 

もし、まだこの映画を観てなかったらよかったら観てみてください。

 

ありがとうございました。

 

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