ゾイドジェネシス 第31話「残された者」感想
今回のあらすじ──
戦死した荒法師ディンガの恋人・ガボールが仇と思いこみ、ルージを暗殺にやってきた。追い詰められたルージだが、窮地に現れたレ・ミィに救われる。
ロンは誤解を解くため、ルージとガボールにゾイドでの手合わせを提案。しかし、勝負の最中にディガルドの部隊が急襲してきた。二人は「怒りの谷」に追い込まれ危機を迎えるが、ロンの助けもあって撃退に成功。身を挺してガボールを守った姿に彼女も誤解を解き、共闘を誓うのだった。
つまらん! お前の話はつまらん!
──と、思わず大滝秀治になってしまった。問題点を挙げたらきりがないと思うが、最悪の例を一つだけ。「凄い気迫だ」って、セリフで言っちゃおしまいだろ!
話の唐突さと捻りの無さは置いておくとして、肝心の戦闘が例によってクオリティ低し。これは残酷な致命傷である。もう半年も経つのに、一向に殺陣が良くなる気配が見えない。動きの説得力は重心の移動がきちんと描かれているか否かで大きく差が出ると思うのだが、『ジェネシス』のCGの動きが軽いこと薄いこと。まるで重量感がない(ついでに言えばセルアニメのパートもな)。
プロレスの例えで悪いが、スタン・ハンセンのラリアットがなぜ格別の扱いを受けていたのか。技の元祖としてリスペクトされていたということもあるが、私は重心の移動にあると見ている。相手に腕をたたき込む瞬間の全身の動きが、あの必殺技に説得力をもたらしていたのだ。あれは長年積み上げてきた芸の極みで、古典芸能か古武術かといった風格さえあった。小橋建太も小島聡もあの域に達することはないのではないか。彼らのラリアットには「勢い」という分かりやすさはあるが、ハンセンの精妙さは無い(二人とも表情はいいが)。畑こそ違うが、同じムーブができるのは合気道を修めているスティーブン・セガールくらいのものだろう。
話がわき道にそれた。とにかく、重量感もなく、その上、不自然なくらいぶつ切りの動きは、どれだけ見せられても手に汗握るということはない。
多分、十分な時間さえあればこんなふうにはなっていないのだろう。プロデューサー氏は「1クール終わる頃には立て直したい」と言っていたそうだが、もうすでに2クール終わっているのだ。『ジェネシス』のCGパートに関しては、そろそろ希望を持って見守るのも限界かもしれない。ムラサメVSデッドリーコングのときが一番良かったかなぁ。期待も込みの評価で。
大まけにまけていうと、今回の殺陣でもメガラプトルをひらきにした最後の一撃のアイディアは良かった。仕上がりが雑になってしまったことが悔やまれる。
決戦は大晦日
今年の大晦日、元横綱・曙太郎が負けられない一戦に挑む。相手は……ボビー・オロゴン。そう、『からくりTV』で人気者になったあのボビーだ。いかに寝技世界一・菊田早苗がその才能を認めようとボビーはボビー。もしボビーに負けたら……
「も……もう格闘技は……断念するしかない……ウウッ!」
と、ゾイド界隈では誰も分かってくれない『プロレススーパースター列伝』ネタをやってみる。
それはともかく、曙があそこまで弱いとは思ってもみなかった。サップとやった試合も、あのビーストのプレッシャーを超パワーで押し戻すシーンが何度も見られただけに、負けたとはいえ期待が高まったものだった。肉体改造に成功すれば一打必殺のチャドフックでKO勝利の山を築けるとばかり思っていたのだ。
それがどうだ。絶望的なスタミナ不足でまるで手が出ない。サップを見ても分かるが、巨体はとにかく燃費が悪いのだ(曙は入場時にすでに息が上がっていたという目撃報告あり)。そして、相手に足を使われればまるで追いつけないのである。「のろまなカメ」だよ。アウトボクシングでピシピシ打たれ、何もできないまま沈んでいく元横綱。哀れな姿である。
これは我らゾイダーに既視感を抱かせやしないか?
そう。ゴジュラスだ。旧大戦初期、共和国軍の切り札として開発されたゾイドゴジュラスは、期待に反してまるで活躍できなかったという設定になっている。敵はおろか味方からも「のろまなメカ」呼ばわりされた哀れな巨像だ。
それが第一線で活躍できるようになったのは、軽量化と対小型ゾイド用火器の装備をしてからだという。つまりは、フットワークと細かい連打ができなきゃダメなのだ。
全日本プロレスに安住していていいのか、チャド!?
奥さんを殴るくらいならボビーを殴れ!
俺は心の奥では、まだアンタに期待しているんだぜ。
今後の展開
某所でネオブロックスの画像を拾った。これは色々と見どころがある。絵を出すのはまだまずそうなので遠慮するが、初見の印象を語ってみたい。
まずは、また獣と恐竜が、ベビーフェイスとヒールに分かれているっぽい点。これはもう、こういう販売戦略で行くと決めたのだろう。昔からのファンの中には拒否反応があるだろうが、コンテンツの過剰供給の時代だ。生き残る方策を模索せねばなるまい。小泉人気の要因の一つに「ワンフレーズポリティクス」が挙げられるが、分かり易さというのは当代最強の武器なのである。一般層に「ゾイド? ああ、ライオンのロボットが恐竜のロボットと戦うやつでしょ?」と認知されたときがゾイドの勝利なのだろう。
で、肝心のキットの方だが、目を引くのがムラサメライガーBCの原型。ブロックスとは思えない神懸かった出来映え。いや、どうもネオブロックスは従来のブロックをつなげて骨組みとする構造ではないように見受けられるために、一概にブロックスとして見ることはできないのだけれど。しかし、それを差し引いても魅力があることに変わりはない。動力のために太らせざるを得なかった胴、ブレード展開のギミックのために確保せねばならなかったのであろうレールの径。それらの制約から解放され、実にスタイリッシュな印象になっている。イタリア車を思わせる三次曲面、きてるぜ、これは。
そして、恐竜サイドの、旧共和国ゾイドにも通ずる無骨なライン。旧ゾイドファンとしてはグッとくるのがある。
それから、バラッツの後継的位置づけのカスタムブロックス。これがまたたまらない。昆虫というモチーフがすでにSF的なわけで、とりわけこの群は古典SFという感じが強い。獣サイドのヒーローメカ的なデザインと好対照で、シリーズ全体としてのバランスもとれているのではないか。
なにはともあれ、正式発表が待たれる。また二月くらいになるかね?
忘却のゾイドカードコロシアム。
メディアへの露出も少ない『ゾイドカードコロシアム』。人間万事塞翁が馬さんで話題に上っていたので誘導。
しかしどうなるのだろうか、アレ。なんか恐竜のアレでタイトーとセガがもめていることだし、影響が無いとも限らないわけだが。
