S-ICDを埋め込んでから約1年。
ずっと異物としての違和感はあるものの、行動に制約はあるものの、心肺停止時の即効性を考えると安心感がある。埋め込んでもらって良かったと心から思える。
しかし…
ついに恐れていたことが起きた。
S-ICDの不適切作動(以下、誤作動)である。
それは4月26日(金)のこと。
その日は毎年一回行われているお寺の清掃活動の日であった。
午前中は境内周りの清掃で、午後は法話というスケジュールであった。
9時30分から清掃活動を始めた。
落ち葉清掃や側溝清掃をしていたが、側溝清掃はけっこうな重労働(自分的には)で、始めて30分くらいから息切れが酷くなった。1時間も経つと呼吸や脈拍が早くなり、立ち眩みもしてきた。
これはやばいと思い、お寺の中に入って横になった。
10分後、
体調的にはイマイチであったが、気分的にはいくらか落ち着いてきたので外に出た。
ホントはそのまま帰りたかった。でも、あと20~30分くらいだからと思った。
11時、作業終了の合図があった。
最後に、溜まったゴミを一人で捨て、お寺の入り口方向に向かった。
その時にも息切れが酷く、呼吸や脈拍が早くなっているのを感じていた。
お寺の玄関方向へ歩いている途中、いきなり心臓に衝撃が走った。
「ガツーンッ!」という金属的な衝撃であった。
痛みはそれほどでなかったが、衝撃が物凄かった。
それと同時に、心臓の外側から胸の中央にかけて電流が走るのを瞬間的に感じ、前に押されそうな感覚があった。
「もしかして電気ショック!?」
一時的に視界が真っ白になった。
でも意識はあったので、胸を押さえながら、また玄関方向へゆっくりと歩を進めた。
その途中、住職や一緒に来ていた檀家さんたちに会った。
自分の様子に異変を感じた住職が、「大丈夫ですか」とかけ寄ってきた。
「埋め込んでいる除細動器が作動したかも」と答えた。
車の運転は無理なので、一緒に来ていた本家の人に家まで送ってもらった。
家に着くまでに再作動はなかった。
作動はお寺での一回だけだったので、ベッドでまずは安静にして、落ち着いてから受診しようと考えた。そしたら、横になるなり、あっという間に眠りに落ちた。
3時間ほど熟睡していた。
目が覚めてから、すぐに病院に電話した。
直ぐに来てくださいという返事であった。
嫁の運転で病院に行き、諸検査とS-ICDの解析をしてもらった。
【結果】
誤作動であったことが分かった。
作業負荷による頻脈を、ICDが心不全による不整脈と誤検知して作動したようである。
※心拍の正常値は1分間に60~100回。
頻拍とは、心拍数が1分間に120回以上のことである。
※健常であれば心拍数と脈拍数は一致する。
不整脈があると心拍数と脈拍数は一致しない。体の抹消で感知する脈拍は拍動が跳んだり(結滞)、休んだり遅くなったり速くなったり感じるためである。
ということで、ICDの電気ショックが作動する数値を上げる設定にしてもらった。
嫁の話では、医師や技師たちが相談しながら「200」に設定することを検討していたという。自分はそこまで聞こえていなかった。
ICD装着時の初期設定は心拍数180のはずなので、嫁が聞いた内容は間違いないであろう。さすがは我が嫁(^^)
そして
心拍数を抑える薬を増量してもらって診察は終了した。
家に戻ったその後もICDが作動することはなかった。
心窩部の左上あたりに軽微な痛みが残っているくらいである。
ただ、ICDも機械なので誤作動があるのは分かっているが、そのたびに電気を掛けられて心臓は大丈夫なんだろか(汗)
やっぱ無理が利かない身体なんだなぁ。
そういう身体になってしまったんだよね。
【今回思ったこと】
①今回の誤作動はショックであったが、ICDが機能していることを実体験として分かったことは、逆の意味で良かったと思えた。
②周りに気を遣うことも必要だけど、最後は自分の身体優先で決断することの方が大切である。優柔不断はもうやめた!心を鬼にして… って出来っかなぁ(汗)