映画「52ヘルツのクジラたち」★★★★★+★ |  teruの日々雑感 ~そして~

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昨日、映画を観てきた。

 

観た映画は「52ヘルツのクジラたち」

 

 

ヤバすぎるほど良かった。

少し暗いイメージを受ける映像は多かったが、映像に連動する音響音楽がとても良く、観る側の感情をいろんな世界に導いてくれる情緒的な揺らぎを感じた。

 

~52ヘルツのクジラとは~

実在するクジラで、正体不明の種のクジラである。その個体は他のクジラたちより遥かに高い鳴き声(52ヘルツ)を発する世界で唯一の個体である。「世界でもっとも孤独なクジラ」とされている。

 

この物語は、児童虐待・ジェンダー平等・貧困・孤独・自殺…等々の様々な社会問題をベースとした複雑な人間模様を描いた作品である。自分は原作を読んでいなかったので、最初の展開はとても衝撃的であった。

 

 

杉咲花(きこ役)と児童虐待を受けている声を発せない少年(桑名桃李・少年役)との出会いから始まる。

 

 

少年と同じような境遇を有していた花は、かつて自分の(52ヘルツの)SOSに気づいて助け出してくれた志尊淳(アン役)との顛末を思い起こす。

 

 

そして、かつて志尊が自分にそうしてくれたように、声なき声を発する少年のために動き出す花。映画タイトルを「~クジラたち」と複数形にした意味はそこにある。

 

そして思ったのが、ジェンダーと性同一障害を一緒と考えることの恐ろしさ。

世の中には「トランスジェンダーは障害者である」という偏見が存在する。映画の中での志尊の母がそうだったように、親をはじめとした家族からそのような哀れみや決めつけがあった場合、「自分の生きる尊厳」を否定された思いにもなるであろう。

 

 

映画の中では、親として本当に息子を心配しての対応であることは伝わってきたが、結果的に最悪の結末に至ってしまった。一般社会においても、間違った認識を相手にかけるとハラスメントと言われることがある。そんな難しい時代になっている。

 

最後は、置かれた状況の中で一番幸せな結末でエンドロールを迎えられた。それが救いであったし嬉しかった。自分の半生の出来事についてもいろいろと考えさせられる映画であった。

 

映画の評価で初めて満点にプラス星一つを付けてみた。

自分の中ではそんな映画であった。