ディグニクス05(バタフライ)
硬度:40度(ドイツ硬度で50度くらい)
厚さ:特厚
重量:47.7g
硬さ
一般的な50度のラバーより軟らかい。
体感的には、05より軟らかいと感じる。
弾み
後陣からの引き合いでも威力を出せる弾み。
オフェンス
ドライブ
回転はテナジー05(以下、T05)よりかけやすいと思う。テナジーは良くも悪くも自動前進回転に合わせた打ち方が必要で癖が強かったが、ディグニクスは自分のイメージで回転の調整ができる。
スピードはT05の方が速いように思う。ディグニクスのドライブは深く入る傾向にあるので、到達距離・滞空時間が長くなるために05より遅いと感じているのかもしれないが、弧線はT05の方が高いので、若干直線的で程よい弧線のディグニクスの方が速く感じても良いはずである。そう考えると、やっぱりスピードの絶対値はT05より若干落ちるかなと思う。ただ、これはディグニクスが遅いと言っているわけではない。
打球感・球質を含め、ディグニクスはテナジーとは全く別物ラバーである。よく、ディグニクスの軟らかい打感と弧線の出方から、80を使っている人に合いそうとか、80を使っている人が移行しやすそうなラバーと思われる方も多いようである。しかし、80使いの自分としては、実際のところ違和感がある。というのは、ディグニクスは80的なスピード感ではないし、軟らかさの質や打球感も違う。ディグニクスは05とも80とも違う、全く別物ラバーである。
他に特筆したいのは、それほどのパワーを必要とせず、瞬間的なインパクトで威力が出ること。なので、前・中陣での速い卓球に向いている。さらに感心するのは、そのような速い卓球が恐ろしく安定することである。そういう点から、バック面の広い範囲をカバーするには最適のラバーと思う。
スマッシュ・ミート打ち
シート表面に張りがあり、きちんとボールを掴んでくれるのでやり易いと思う。そして、コンパクトなスイングで強打と同様の威力とスピードが出るので、強く打つことにそれほど拘る必要はない。
ただ、食い込みが良すぎるために、打ち方によってはラケットの板で打っている感触の時もある。特にパワーのある方はそのことを強く感じるかも知れない。
フリック・チキータ
フリックはとてもやりやすい。極力、力を抜いた感じの方が良いボールが出る。
チキータもやり易い。チキータこそ瞬間のインパクトを必要とする技術なので、ディグニクスのメリットを一番出し易い技術のように思う。
ディフェンス
ブロック
掴みの良いシートゆえに、どちらかというと回転の影響を食らいやすいラバーであろう。しかし、面の角度を付けて、少し回転をかけて返せば何の問題もない。そのような技術においても安定感のあるラバーなので安心感がある。
ツッツキ・ストップ
切れそのものはある。ただ、低くて長いツッツキになりやすく、スピードも出やすい。それでも、深く入ったツッツキは相手が合わせきれないことがあるので、ディグニクスのツッツキは最初から攻撃的にいくつもりの方が良い。
ツッツキもストップも短く出すのは慣れが必要である。
サーブ
下回転は切れが良い。長短も使い分けしやすい。
スピードロング系はスポンジの弾性の良さがあり、思うようなコースに速いサーブを出せる。また、シュートやカーブなどの横回転も入れやすく、効果的なロングサーブのバリエーションが豊富である。
以上。
では、ディグニクス05を簡単に言い表すと
〇特にシートの出来が良く、掴む感覚がある。
〇癖が少なく安定性が高いので、プレイの広い範囲をカバーできる。
〇回転をかけやすい(絶対的な回転量は05並み)。
〇それほどのパワーは必要とせず、瞬間的なインパクトで威力のある打球が可能。
△体感的に軟らかく、食い込みが良すぎる(硬め好きには向かない)。
●絶対的なスピードはテナジーと思う。
●下回転系を短く出すのは慣れが必要。
※●は△でも良いかと思う。
といった感じ。
ディグニクスはテナジーの進化版などでは決してない。テナジーとは別物ラバーである。癖が少ないので、テナジーが苦手だった方には使いやすいラバーであろう。
バタフライがディグニクスを新時代の主力ラバーと考えているならば、今までのテナジーがそうであったように、ディグニクスが世界基準の新機軸ラバーとなるのであろう。
自分はこのラバーを継続するかどうかは分からない。もう少し使い込まないと分からないが、今の段階ではテナジー(80&05ハード)の方が魅力的である。