ちはやふるの最終章「結び」
「上の句」と「下の句」の出来と流れから、「結び」が面白くないはずないっしょ( ´―`)
という感じで観に行ったが、まさにその通りであった。
今回は千早(広瀬すず)と真島(野村周平)と新(新田真剣佑)の三角関係に終止符が!?…と思われたのだが、なんか思わせぶりな、ご想像にお任せみたいな感じで…不全感が残ったなぁ(笑)。まあ、はっきりさせない方が、この物語的に良い終わり方であったのだろう。、
この映画の何が良いかというと、これはもう「テンポ」である。
話を繋げるテンポ。笑いのテンポ。観る側の集中力を徐々に高めるテンポ。それら全てのテンポが良い。
そのテンポの良さを支えているのが、キャラクターの設定であると思う。確立されたキャラの明快さと、それぞれの役者の演技力がマッチしているのである。このキャラならこの俳優よりは…というものが全くない。だから、観ていてとてもスッキリする。
で、感じたのが、ちはやふるも結びになって、何か大人っぽくなったなという印象。
それは、野村周平の心理面(葛藤・揺らぎ)が多分に影響しているのだが、この人物の存在も大きいように思った。
最強の棋士役を演じる賀来賢人
人心の深層心理を認知しながらも、それと背中合わせで付き合って見せる余裕と偏りがあった。そこにある種の「嫌な大人の空気」があった。嫌なというのは、カッコ良さとか、憎たらしいとか、そういう類の誉め言葉としての嫌さである。このキャラ、けっこうこの映画のスパイスになっていたように思う。
で、やっぱり惹かれるのは、広瀬すずの一途さとチームにおける人間の関係性。
最後まで素直な気持ちで見れた映画である。こういうのって、なかなかない気がする。
そして、三部作のつながりが素晴らしい。よく考えられて、よくできた映画だなと感心するばかりである。
というような映画であった。
褒めるところしかなかったけど、自分にとってはそんな映画であった。