釣行記:震災後、初めての船釣り |  teruの日々雑感 ~そして~

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日時:2011年7月2日(日)6:30~12:30
場所:大船渡市 綾里湾
船名:第七億幡丸(小石浜漁港)
魚種:カレイ・アイナメ
釣法:・カレイ・アイナメ:かかり釣り(アオイソメ)天秤仕掛け ・銀鮭:ジギング
 



3月11の震災後、初めての船釣りです。 決心してからずっとドキドキです。
最後に船釣りをしたのが2月20日(日)でしたから、約5ヶ月ぶりの釣りですね。
被災地で釣りすることを、いろんな意味で心配する向きもあります。もちろん、それは当然のことと思います。
しかし、遊漁船を職業として営んでいられる方々にとっては、その活動が生活の支えになっていると思います。そして、海に生きる男の生きがいであるとも思います。自分は、そのような思いに対し、少しでも協力してあげられたらと考えます。

また、被災した市町村で時間を過ごすことは、その土地の景気に良い効果をもたらします。
その土地を訪れた人たちが、その土地で買い物をし、飲食をする。そうやって消費されたお金は、地元の人や市町村の収入になります。その結果、地域が潤うことになります。
自分が消費するお金は微々たるものです。それでも、少しでも復旧や復興に貢献できればと思い、今回の釣行となりました。

なんて、かっこつけてるみたいだけど、・・・要は、単に船釣りが好きなだけかもしれません(汗)
それでは、Teruの釣行レポートの開始です!!

 

 



おはようございます。今日の出航は、船長の仕事の都合で6:30です。
北上を3:30に出発し、小石浜に着いたのは6:10でした。
三陸町は、5m先も見えないほどの濃霧で、ホラー映画の一場面に身をおいている感覚になりました。

写真は、今回、お世話になった「第七(八)億幡丸」です。




大津波の際は、第七、第八億幡丸とも沖に避難をし、被害を回避できたそうです。
津波が引いた後に漁港に戻ったところ、他の船が被害を受けていたにもかかわらず、船長のサッパ船は奇跡的に無事だったとのこと。・・・越喜来にある船の1割しか残らなかったことを考えると、船長の持ち船3艘とも無傷だったことは、奇跡としか言えませんよね。

漁港から出航しても濃霧は晴れず、沖から見た陸の風景はこんな感じです。



最初のポイントに着き、船長が棚に船を付けて、いよいよカレイ釣りの開始です )^o^(

仕掛けをおろしたら、すぐに小刻みなアタリが・・間もなくヒット!!です。 



 20cmちょいの手のひらサイズのカレイが上がりました。手のひらサイズではありますが、とりあえずキープです。

その後、そんなに間を置かず、カレイが2枚上がりました。今日は、期待できそうな予感・・・(^_^)



 友人Kにもアタリがきました。
少しブルブルした引き・・・アイナメっぽいですねぇ。頑張れ~!!



 上がってきたのは、25cmちょいのアイナメでした。


 おめでとう。これもキープサイズぎりぎりですが、クーラーボックスにGetです ^^;

 その後、自分にもアイナメがヒットしました。
 そんなに大きくはないけど、まずまずのサイズです。

 

 

 

 



 船長は、今朝の仕事の続きを頑張っています。今朝の定置網の手入れとのことです。


 船長は、今朝の仕事の続きを頑張っています。今朝の定置網の手入れとのことです。
  船長は、今朝の仕事の続きを頑張っています。今朝の定置網の手入れとのことです。

 「定置網をあげた後は、こうやって解かなきゃならないんだよねぇ。これをやらないと、明日使えないんだよ。釣りの途中なのにごめんね。」と。
 漁師の仕事というのは、こういう地道な作業があって成り立っているんですねぇ。

 そのうち船長が、
 「ルアーは持ってきている? 今、ルアーで銀鮭が釣れるんだよね」と。

 ・・・実は、岩手の釣りサイトで、銀鮭がジギングやタラ仕掛けで釣れていると知っていたんです。もしかしたら、銀鮭釣りが出来るかも・・・ なぁんて考え、メタルジグに新しいトリプルフックを付け替えて持ってきていました (^^;)

 さらにさらに、シーバスロッドと、スルメイカに使う強めのロッドも持ち込んでいたのでした ^^



 船長にロッドとメタルジグを預けて(船長は、お客と一緒に釣りをするのです)、自分たちはひたすらカレイ釣りに集中です。

 この時点で、カレイが6枚、アイナメが2匹。ほどほどに釣れて、けっこう楽しめていました。友人Kも順調に上げています。船長は仕事の合間に、銀鮭釣りにトライしています。

 そして、やっと・・・
 船長 「よし!キタ---! 」

 早速、自分が代わって(・・;)取り込みをしましたぞ。えらい引きですね。いやあ~すごいすごい。


 上がってきたのは、ウロコが銀色にキラキラと綺麗な銀鮭です。サイズは56cmでした。

 もともと、銀鮭は三陸にいない外来品種だそうで、宮城の養殖棚で養殖されていたのが、今回の津波により棚が破壊され、岩手県沖に来たとのことです。

 船長は、銀鮭が小魚を餌としているため、三陸の海の生態が変わることを心配していました。小魚を餌としている魚の釣り(ヒラメなど)に影響すると言っていました。

 三陸沖で繁殖する可能性があるので、ヒラメ釣りの餌であるカタクチイワシの確保に影響してくるんでしょうかねぇ・・・
 「カレイにアタリがなくなったら、銀鮭のポイントで銀鮭を釣ろうか」という、船長からの嬉しい提案。
 はぁい!是非ともぉ!(^▽^)/

それでは、自分たちはカレイ釣りに再集中です。
 アタリは少なくなってきましたが、2人ともカレイやアイナメが釣れています。ダブルもあり、リリースもあり、クロソイもありと、カレイ釣りを満喫です。



 友人Kが、「アタリがなくなってきたなぁ」とつぶやいたのを合図に(^^)、銀鮭を釣りに向かうことになりました。
ドキドキです(汗)

ちょうどその時、他の釣り船が通りかかり、船長が無線で釣果情報やポイント情報などを教えていました。
助け合い精神、良いですねぇ ^^




 カレイ釣りの間、他にも何艘かの漁船を見かけました。自分が想像していたより船が出ていて、だいぶびっくり(・・)でしたね。

 

 

 

 



 銀鮭釣りのポイントに向かう途中の景色はこんな感じです。場所によって、霧が濃かったり、晴れていたりという感じです。


 さて、ポイントに着いて、いざ勝負です!!

 ジグを真っ直ぐ下に落として、大きくしゃくりながらラインを巻き上げる釣り方です。
 巻き上げている途中で、ジグを追い掛け回している銀鮭たちが見えます。海面まで追いかけてくる銀鮭もいます。
 メタルジグなので、投げて引くのかと思っていましたが、魚影が濃いから、投げて広く探らなくても良いんでしょうね。
 この釣り方の方が労力を無駄に使わないで済むので、納得のジギングです。


 状況はというと、ほとんど入れ食い状態で写真を撮る時間も惜しいくらいでした。・・・実際、撮れていませんが(・・;)

 数匹でジグを追い掛け回すため、スレ掛りでヒットすることもしばしばでした。
 遊泳力と抵抗力はかなりのもので、フックが外れたり、ジグをとられたりと、逃した数も数え切れません。友人Kも頑張っています。

 銀鮭を取り込んだ後のジグのフックは伸びていて、ペンチで元に戻して再投入をしていました()
 もっと大きなフックと頑丈なスプリットリングで仕掛けを作らないとでしたね。反省点です(_ _


 銀鮭釣りは40分くらいで終了しました。
 この後、小石浜漁港に戻り、下船したのが13:00でした。



 これが3(船長も含め)の釣果です。

 写真には16本しか写っていませんが、カレイ釣りの間に船長がヒットさせた1本がクーラーボックスに入っていますので、全部で17本です。

 

 

 

 



 久しぶりに大興奮の船釣りでした。
 船長、今日は本当にありがとうございました。
 これからも、宜しくお願いします。

 

 

 

 

 帰りの漁港では、地元の漁師さん達が気軽に声をかけてくれて、釣り方や仕掛けなどを聞かれました。そして、釣れたことを本当に喜んでくれ、とても嬉しかったです。
 もちろん、初めての銀鮭釣りにもかかわらず、知ったかぶりに答えたのは言うまでもありません()


 正直な話、周りの漁師さんからこんな時に、釣りに来るなんて・・・と、非難の目で見られまいか心配もしていました。でも、逆に歓迎していただいたことで、今回、勇気を出して釣りに来たことが間違いではなかったと思えました。

 もっともっと、すべての漁港が早い時期に復興できることを願います。

 

 

 

 



本日の釣果

カレイ13枚(最大34cm)
アイナメ3匹(最大38.5cm)
クロソイ1匹(28cm)
銀鮭8本(最大60cm)


   

        

 

 

 

 



Teruの釣行記 番外編

 震災後、個人的な事情があって、大槌や釜石には何回も足を運んでいました。
 地元の方から当時の状況を聞いたり、その後の惨状を見るたびに、怒りや悲しみ、何ともいえない虚無感、言葉では言い表せない複雑な感情がありました。
 三陸町には5月の末ころに訪れていました。釣りで利用している鬼沢漁港や小石浜漁港がどうなっているか確認したくてです。その時は、震災の復旧工事のために途中の道路が通行止めになっていて、目的の漁港まではいけませんでした。 


 今回、釣行に来れたことで、やっと小石浜の状況を確認することが出来ました。


  



 今は瓦礫などが整理され、当時よりだいぶきれいになっているのでしょうが、地震と津波による被害は、小石浜漁港のいたるところに無残な傷跡として残っていました。

 このような状況を目の当たりにすると、心が痛みます。なんともやりきれない気持ちになります。


 船が流されたり、破損して、漁に出れない漁師もたくさんいると思います。
 でも、地元の人は明るく、今までと何ら変わらずに接してくれます。普通に生活しているようにも感じます(もちろん、心情や実状は違うでしょうが)。

 現状を受け止め、将来を見据えて頑張ってい人たちの強さを感じました。
 それが、生きる強さなんでしょうね。

 自分もこの人たちに負けないように、強く生きていかねば。

 

 

 

 



 釣行の帰り際、

 漁港の入り口の塀に一枚の紙が貼ってあるのを見つけました。




 
書かれている内容を見て、ますます頑張る力が湧いてきました。
そして、三陸に生きる人たちを応援する気持ちがますます強くなりました。




みんなで力を合わせて・・・がんばっぺな! 負けんな、恋し浜! 復活だ、三陸!