タマスからディグニクスシリーズが発売されてからどれだけのスリースターが割れただろうか。
当時両面テナジーだった僕にとって、ディグニクスに移行するのは当たり前のことだと思っていたし、タマス信者である事も含めて他に目移りする理由も無かった。
ただ、今ここに記したように僕はタマス信者ではあるものの、同時にヤサカファンでもあった。
この二面性については僕自身でさえ悩みの種でもあり、その時々によって壊れた天秤のように両者を正確に計ることは出来なかった。
タマスがディグニクスを発売する前、ミズノがQ5を発売した。
評価の高かったQ3、Q4に続き、さらなるハイエンドモデルとして期待が大きかったが、ディグニクスの発売時期と被ってしまったことで話題を奪われた感は否めなかった。
ドニックがブルーストームZ1ターボを出したこともあり、他のメーカーがテナジー越え、タマス越えまであと一歩というところまで来ていたのではないかと僕はある種の期待感もあった。
だが、全てのラバーを突き放すようにタマスはディグニクスを解き放った。
05に続き、80、64、そして人類の叡智を結集させたかのような09Cまでもがついにその舞台に舞い降りた。
全てが圧倒的だった。
テナジーVSドイツ系ラバー
という戦いはこうして幕を閉じた。
それから何年か経った頃、ティバーというブランドが勢力を伸ばした。
ティバーといえばベラルーシのサムソノフを擁するメーカーであり、レボリューションシリーズと共にハイブリッドK1Jという粘着テンションを武器に日本市場に流れていた。
またヤサカの翔龍に続きトリプルダブルエキストラというような中国製粘着ラバーもラインナップに増えてきた。
あくまて個人的な観測に過ぎないが、この頃にはもうV15、ラクザX、ファスタークG-1などといったタマス以外の日本メーカーのテンションラバーは極端に見る機会が減っていたと思う。
ヤサカの神拓也選手は両面ラクザXから両面翔龍になり、その後ティバーに移籍した。
なので神はディグニクスを貼らない。
ティバー契約なので。
おわり