政治家の正義 | TERUのブログ

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つれづれに

キャメロン首相も大変ですなあ。

あ、イギリスの話ですよ。キャメロンさん、EUから脱退したくないのに、党内の強硬派と国内世論に押されて、とうとう脱退を決める国民投票をやる方向に動き出しちゃった。

イギリスの言い分にも一理ありますよ、たしかにね。ヨーロッパって、官僚的ですからね。それを緩和していたのがイギリスだったわけですから、イギリスがEUから抜けるなんて考えられませんよね。

ここはひとつ、キャメロン首相に踏ん張ってほしかったもんですなあ。

わたくし思いますに、いまの政治家は、どんどん大衆迎合してますよね。信念としてのポピュリズムを持っているならなにも言いませんが、ただ迎合しているだけ。

まあ、いまは一個人の発言が、ネットでバーッと広まって、単なるうわさ話や、最悪の場合は作られた話まで、あっという間に真実のごとく広まる時代ですから、政治家も高みの見物なんてしていられる時代ではないのは、わかりますが。

でもね、政治家の正義は100年後でなければわからないなんて言葉もあるくらいですから、100年後に評価されることを信じてがんばる政治家が、たまにはいてくれないとねえ。

それで思い出したんですが、わたくし、イスラエルの首相だった、イツハク・ラビンさんが好きなんですよ。

ラビン首相。覚えてらっしゃいます? 暗殺されたのは、1995年ですから、もう18年も経つんですね。平成生まれの方は、ご存じないかな。

彼は元軍人で、若いころはパレスチナと戦ってたわけですよ。でも、その後政治家に転身して、トントンと出世して、国防大臣を経験したら人が変わっちゃいましてね。なんと、軍のトップになったくせに、平和に目覚めてしまった。

それからはもー、パレスチナとの和平一筋ですよ。アラファトは、ずーっとラビンを信じてなかったみたいですけど(なにせ、軍人時代に、実際に戦ってた相手なんで)、ラビンは辛抱強く和平を進めました。ヨルダンとも平和条約を結んで、ノーベル平和賞も受賞した。

とにかくラビンは、戦いの中にイスラエルの未来はないと信じていて、奪った土地をパレスチナに返して、平和共存していくしかないという、強い信念に突き動かされていたんです。

でも、そーすると、当然国内からも反発が起こりますよね。パレスチナに土地を返すとはなにごとかってなわけですよ。

でもラビンは、国民に不人気な政策も、やらねばならないときがあると言っていたそうです。自分は、未来に評価されればよいと。

ところが、国内の反対分子に暗殺されちゃいました。

衝撃でしたね。

武器を捨てようと叫び続けた政治家が殺されてしまう世の中って、暗いですよね。

大衆迎合するしか脳のない政治家ばかりになるのも、仕方ないんでしょうかね。