トータル・リコール | TERUのブログ

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つれづれに

去年リメイクされた『トータル・リコール』が、DVDになったんで見てみました。

1990年に最初に映画化されたときは、主演はアーノルド・シュワルツェネッガーで、ヒロインには、レイチェル・ティコティンと、シャロン・ストーンが出てました。

で、2012年版のリメイクでは、主演がコリン・ファレル。ヒロインは、ジェシカ・ビール。そしてケイト・ベッキンセイル。

なかなか豪華じゃないですか。

シュワちゃん版のトータル・リコールは、監督がポール・ヴァーホーベンなんで、未来世界の描写が、ちょいと無味乾燥というか、映画のセットっぽいというか、ハッキリ言ってB級映画のクォリティーしかなかったんですが、リメイク版は、もー、最新のコンピューターグラフィックをバリバリ使い、非常にクォリティーが高い。しかも世界観は、かの名作、ブレードランナーをリスペクトしているようで、チャイナタウン風味になってます。しかも、ずーっと雨が降っているという凝りよう(ブレードランナーも、ほとんど雨でしたなあ)。

ちなみに『We Can Remember It for You Wholesale』というのが、元ネタの題名です。

日本語訳の題名は、『追憶売ります』。だれが訳したのか存じませんが、なかなかいい邦題ですな。

え? なんの話かサッパリわからんとおっしゃる?

えーと、フィリップ・K・ディックというSF作家が書いた『We Can Remember It for You Wholesale』という短編を映画化したのが、『トータル・リコール』なんです。原作とはだいぶ雰囲気が違いますが、それはまあ、映画ですからね。

で、今回リメイクされたのは、シュワちゃんの映画版を下敷きにしております。これまた原作に忠実というわけではない。(そもそもディックの原作を忠実に映画化したら、きっとすごくつまらなくなる)

わたくし、シュワちゃん版のトータル・リコールも、わりと好きなんですよ。B級映画っぽい安っぽさが、なんともね。ツボにはまるんで(苦笑)。

ただ、シャロン・ストーンが演じた主人公の妻役が、かなり中途半端で消化不良だったところが、もったいないなあってずっと思っていたのです。そう思っていたのはぼくだけじゃないことが、こんどのリメイクを見て、よーくわかりました。

リメイクでは、ケイト・ベッキンセイルが主人公の妻役を演じているんですけど、話の途中で簡単に死んじゃうシャロン・ストーンと違って、物語の最後の最後まで、粘りに粘った迫真の演技を披露してくださいました。ケイトさん、いろんな役をこなせる、うまい女優さんですね。

この点だけで、リメイク版に大拍手。ぼく的には大満足です。

それにしてもケイト・ベッキンセイルさん。そろそろアラサーのはずだけど、がんばってますよ。すごいアクションシーンの連続。主演の、コリン・ファレルよりアクションは激しいかも(笑)。

ディックの小説を映画化したのは、どーも苦手。という方でも、単純にアクション映画として観てもおもしろいです。

ただ、ラスト付近でのオチ(?)は、シュワちゃん版の方がシニカルでよかったかな。うーん。でもリメイク版のリアリティー路線も悪くないし……

甲乙つけがたいですなあ。

気になる方は、どうぞ、ご覧あれ。