ワープロ専用機の思い出 | TERUのブログ

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つれづれに

昨日、ワープロ脳なんて書いたんで、むかしお世話になったワープロ専用機について、古い記憶が刺激されちゃいました。

歴史を紐解くと、1978年に東芝が最初に商品化したそうで、当時のお値段は、なんと630万円から。から、ですよ、から。オプションつけたら、いくらになったんでしょうね?

そんな高級車並みの値段でありながら、6300種の文字しか扱えず、40字×40行で200ページしか保存できなかったそうです。

もちろん、そんな機械は、見たことも触ったこともございません(笑)。

その数年後、1980年代に入ると、急速に低価格化が進んだんでしょうね。ぼくが高校を卒業する少し前くらいのころ、親父が買ってきたんですよ。たしか「キャノワード」だったと思うんです。曖昧な記憶なんで、もしかしたらカシオだったかもしれないけど、1行だけ表示できる液晶が付いてました。

はじめて触ったときは、これが時代の最先端か! という興奮がありましたけど、すぐ「こりゃダメだ」と思った記憶がうっすらありますな。

だって、表示できるのは、たった「1行」ですよ。コピー&ペーストなんてできるはずもなく、印字も汚かった。文字が、ギザギザなんですよ。

親父は、そんなワープロ専用機のキーボードを、ポチポチ打ちながら、会社の書類を作っていたんでしょう。たぶん。

で、それからさらに数年後。ぼくは写真家のアシスタントとして社会人をスタートさせたんですが、その事務所にあったんです。すんごいワープロ専用機が。

いや、ぼくが事務所に入ったときは、リースをはじめて3年目ぐらいだったはずだから、すでに旧機種だったのですが、ぼくは、業務用のワープロ専用機を見るのははじめてだったんで、すごいと思ったもんです。

機種はNECの「文豪」でした。14インチくらいのブラウン管のモニターが付いてましてね。本体とプリンターは、それぞれ独立していて、いわゆるデスクトップパソコンみたいな雰囲気。もちろんキーボードも独立したタイプなので、文字の入力が楽だった。

保存はフロッピーでした。しかも5インチ(笑)。お若い方はご存じないでしょうねえ。ペラペラの紙みたいな、5インチディスクというのが、むかーし、あったんですよ(笑)。

そんなすごいワープロ専用機があったにも関わらず、当時、事務所でワープロ専用機を使うスキルがあったのは、新人のぼくだけだったので(笑)、ずいぶん使いましたよ。

師匠は、よく手紙を書いて出す人だったんで、その手紙の清書を「文豪」でやっていたんです。ぼくが使い方に慣れてくると、師匠ってば、手紙の下書きを書いてくれないで、口頭でベラベラしゃべるだけになっちゃいました。そう、口頭を、そのままキーボードで打ってたんです。

あれで、キーボードを打つのが早くなりましたねえ(笑)。写真家のアシスタントなんて体育会系ですからね。有無を言わさず、鍛えられるんです(苦笑)。

それにしても、「文豪」のすごいところは、そんな口頭のスピードにも、処理がついて来れたことですね。さすがは業務用です。

それから、2年ぐらいしたときでしょうか。さすがに「文豪」も、古くさくなってきた。世の中は、3.5インチフロッピーが主流になってきてたんです。それに「文豪」は、リース契約だったので、その契約も切れるころだったんですよ、確か。(最終的には買い取った記憶がありますが)

そんなわけで、事務所でも新しいワープロ専用機を買おうってことになって、「キャノワード」を買ったんです。

そのむかし、親父が買ってきたのとは、性能は雲泥の差。20~30行くらい表示できる液晶がついていたような記憶があります。印字もきれいでしたね。

ただ、そのころには、事務を主にやってくれる人が入ってきたので、ぼくは写真の仕事に専念できて、新しいキャノワードは、ほとんど触ることはありませんでした。

そうして、いよいよ事務所を独立するときがきたのですが……

ぼくが自分のために買ったのは、ワープロ専用機ではなくて、Macのノートパソコンだったのです。それに、EGワードというワープロソフトを入れて使い始めたのですが、これが遅くてねえ(苦笑)。

お金がなかったんで、一番安いMacを買ったせいなのかもしれないですけど、いやはや、本当に遅かった。原稿用紙で、10枚分も書くと、文頭から文末にスクロールするだけで、亀が歩くのを見てるみたいに(大げさですが)イライラしたもんです。

それで、なんとかならんものかと、いろいろソフトを探したら、「J Edit」という、エディターソフトを見つけたんです。それをインストールして使ってみたら……

あーら、ビックリ!

同じマシンを使っているとは思えないくらい快適でした。1万行くらい書いても遅くならない。もちろん、コピー&ペーストは、思いのまま。

文章を書くのに、こんな快適なモノがこの世にあったのか!

と目から鱗がボロボロ落ちて、それからいまに至るまで、ぼくは長い文章を書くときは、ワープロソフトではなく、ずーっとエディタソフトを使っているのでした。

使うパソコンは、MacからWindowsに変わりましたけどね(笑)。

以上、思い出話、終わり~。