高級車と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、ドイツの車ですよね。
ベンツにBMW、そしてアウディもブランド戦略に成功して、いまや立派な高級車。
日本だけじゃなく、このドイツ御三家は、世界的に、ほとんどの国で高級車として認知されているそーです。
が!
そんな御三家が、いま苦しんでいらっしゃる。
いえ、経営的にと言うことじゃなくて、次世代技術に苦しんでいらっしゃる。
事の発端は、地球温暖化ですよ。ヨーロッパは、自動車メーカーに課す二酸化炭素の排出量規制が、なかなか厳しいんですよ。いまでも厳しいんだけど、さらに将来は、段階的に厳しくなっていくことが、すでに決まっている。
二酸化炭素の排出量は、1車種が対象ではなくて、メーカー全体が対象なんです。つまり、規制をクリアできない燃費の悪い車を作っていても、クリアできる燃費のいい車をたくさん売れば、プラス・マイナスで規制をクリアできるわけですね。
で、現在のところ(2012年調べ)、排出量規制をクリアしているのは、イタリアのフィアットと日本のトヨタだけなんだそうです。
そこで、、困っちゃってるのが、高級車のドイツ御三家ですよ。
なにしろ、彼らの作っているのは、燃費の悪い高級車。いえ、高級車だからって、燃費が悪いと決めつけちゃいけないでしょうけど、どーしても、高級車は燃費が悪くなる宿命なんですよ。
というのは、乗り心地や安全性を高めるには、鉄板やガラスを厚くしたり、いろんな装置を組み込まなくちゃいけないので、車体がすごーく重くなるわけですよね。そうすると、物理の法則で燃費は必ず悪くなる。
というわけで、ドイツ御三家のみなさま、二酸化炭素の排出規制をクリアできないどころか、現段階では、大幅に上回ってしまっているようです。
さー困ったぞ。
ってなわけで、みなさん、必死こいて新しい技術を開発なさっておいでですが(しかも小型車をたくさん作ろうとしている!)、中でもアウディが、ついこの間発表した技術はすごい。
なんと、車が出す二酸化炭素は、もう、どーしようもないんで、そいつを回収して、また水素などと結合し直して、合成ディーゼル燃料にしちゃいましょうというんです。
禁じ手(苦笑)とは言わないけど、そこまでやらなきゃダメですか。って感じですなあ。
もうすでに、合成ディーゼル燃料を作る実験プラントも稼働してるみたいですよ。
でも、どーなんでしょうねえ。
いえ、もちろん、褒められるべき研究だとは思いますよ。アウディは、二酸化炭素を出す製品を作っている以上、それをなんとかする責務があると思っているはず。
でも、でも……やっぱり、なにかが間違っているような気がするのはぼくだけでしょうか?
なんちゅうかその、感覚として、ローマの飽食を彷彿させるんですよね。彼らは宴会の席で、うまいモノをたくさん食べるために、食べては吐き、食べては吐きを繰り返していたそうな。
うげっ。そこまでして、食べたいかね、あんたたちは。
というのに、少し似てる。
なーんてことを言ったら、アウディさんは怒るんだろうな(苦笑)。
じゃあ、どうしたらいいのかと言えば、二酸化炭素を回収する研究は、国や石油会社などが担うべきじゃないかと思うんですよ、感覚的には。
そして、これまた感覚的ですけど、自動車メーカーは、製品それ自体のカイゼンに向けて、すべてのリソースを振る向けるべきではないかと思うんですけどねえ。