画素数の話を少々 | TERUのブログ

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つれづれに

今日は久しぶりにカメラの話題。

デジタルカメラのカタログを見ると、「何万画素」って必ず書いてあるじゃないですか。あれってなんでしょう?

デジタル写真というのは、じつは「点描画」のように、細かい「点」で描画されています。画素とは、どのくらいの「点」で、写真が描画されているかを示す値です。たとえば1000万画素のカメラなら、「1000万個の点」で描画されていますよって意味ですね。

いうまでもなく、この点の数が多くなればなるほど、写真は「高精細」になります。

じゃあ、具体的には、どのくらいの数だったらいいんでしょうか?

商業写真(いわゆるコマーシャルね)や、写真マニアの話じゃなくて、あくまでも一般的にという意味で考えると、ぼくは1000万画素くらいが必要十分ではないかと思うんですよ。(1000万画素のことを、カメラメーカーは、ちょっとカッコよく「10メガピクセル」なんて呼び方もします)

まず、ブログなどに載せる写真は、30万画素もあれば十分なので、これはまあ、いくらなんでも低すぎるので除外するとして、よくサービスサイズ(あるいは手札サイズ)なんて呼ばれる、L版に印刷することを考えてみましょう。

ちょっと難しい話をすると、印刷と画素数の関係は、解像度と呼ばれる数値で変わります。印刷の解像度は「dpi」が使われるのが一般的です(dots per inchの略)。

この単位の意味は、1インチの幅に、どれだけのドットを表現できるかということなんですが……解像度は、いろいろ紛らわしくて、理解するのに苦労する単位ですから、説明はこの辺にしときましょう。ただ、カメラの画素数とはべつの単位なので、それだけ覚えておいてください。

さて、キヤノンやエプソンに代表される家庭用の写真プリンターでは、印刷時の解像度が300dpiもあれば、必要十分以上です。300dpiは、商業印刷にも迫る解像度ですから(※注)、それが家庭で得られるなんて夢みたいな話ですよ。(家庭用プリンターでは、240dpi以上になると、解像度をどんなに上げても、見た目に変わらないと言われています)

では、L版の紙に、300dpiで印刷するためには、カメラの画素数はいくつあればいいのでしょうか?

計算してみると、約160万画素です。

じつは、うちの親父が、いまだに200万画素のデジカメを使ってるんですよ。すごく望遠になるタイプのコンデジで、孫の運動会なんかに大活躍。

そのカメラで撮った写真をL版に印刷したのを見ると、ぼくが一眼レフで撮った写真と、そんなに変わりません(苦笑)。あ、解像感では、という意味ですよ。写真のデキは、ぼくのほうがいいに決まってます!(力説)。

いまどき、200万画素のカメラにお目にかかることはありませんが、L版にプリントするだけなら(Webへ掲載するのにも)十分な性能だと言うことですね。

じゃあ、たまにはA4くらいにプリントしたいなんて思ったときは、カメラの画素数は、どのくらい必要なんでしょうか?

これまた計算してみますと、約920万画素です。

最初に、カメラの画素数は、1000万画素もあれは、一般的には十分ではないかと書いた根拠はここにあるのです。

A4以上のプリントができる写真プリンターは、マニア向けの製品ですから、値段も高いし、大きくて設置する場所にも困る。そもそも、ふつうはA4以上にプリントする必要がないですもんね。

いま売っているデジカメは、コンデジでも1200万画素クラスが当たり前。一眼タイプになれば2000万画素を超えるエントリーモデルだってあります。いままで説明した通り、そんなにすごい画素数は、ほとんどの場合必要ありません。ですから、カメラの設定で、記録画素を落として撮影すると、ファイルの容量が小さくなって、パソコンに転送するのも、あるいはレタッチするのにも処理が軽くなって、快適になると思うのです。

A4までの印刷なら、1000万画素でOK。L版なら、200万画素もあれば十分。と覚えておくと、カメラの設定を変えるときの目安になるんじゃないでしょうか。

では、今日もノンさんのお写真を……

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ふふーん。(`∀´)

あ! 撮る瞬間に、顔をそらした!

ぼくらが食後のコーヒーを飲んでるとき、彼女さまに抱っこされていたノンちゃん。ぼくのほうを見てたんで、じゃあ一枚撮るかと思って、カメラを向けた瞬間。

こんなふうに、顔をそらしました(苦笑)。

彼女は、ノンが、いつも絶妙なタイミングで顔をそらすもんだから、ウシシと笑ってます。

そう思ってみると、心なしかノンも、「してやったり」と、笑ってるように見えますよね(苦笑)。

ちなみに、ノンちゃんの写真は大きなサイズにプリントしたいときはべつとして、ふだんは600万画素で撮ることが多いです。この写真も、もとは600万画素でございます。



(※注)
商業印刷の解像度は、印刷する媒体にもよりますが、高解像度が必要な場合は、300dpiくらいが最低ラインです。クライアントに雑誌系が多いぼくのようなフォトグラファーは、撮影データに350dpiの補助情報をつけて納品する場合が多いです。

もっとも、印刷のときの解像度は、カメラの画素数とは直接関係ないので(画素数が多いほど、高解像度で大きな面積に印刷できるという意味では関係あります)、印刷の段階で、印刷の目的にあった適切な値に調節する必要があるはずです。つまり、フォトグラファーが納品データに入力する解像度は――自分自身の、写真展用の印刷はべつとして――文字どおり「補助情報」でしかなく、そんな情報をわざわざ入れて納品する意味がどれだけあるのかと、いつも疑問に思うんですけど……まあ、350dpiにして渡すのが、なんとなく慣習になってますね。