ぼくは、科学雑誌や、科学の解説書を読むのが好きです。
いまお気に入りのサイエンスライターは、イギリスのサイモン・シンさん。
この人が最初に書いた科学の解説書は、「フェルマーの最終定理」なんですよ。360年間解かれなかった、数学の難問を、その成り立ちから、アンドリュー・ワイルズが解くまでの歴史をからめて解説した良書でした。
その本がイギリスで出版されたのは1996年のことなので、もうずいぶん前ですが、ぼくが読んだのは、日本語版が文庫になってからなので、たしか6年くらい前ですかね。
500ページ近い分厚い文庫本なのに、おもしろくて、あっという間に読んじゃった。
すごいことですよ。フェルマーの最終定理なんて、超難解なことを、おもしろいと感じさせるんだから。
それで、彼の書いたつぎの本もすぐに注文して読みました。それは暗号理論に関する解説書で、これまた難解な「暗号解読」なんてタイトルの本です。この解説書もすばらしかった。
そんな彼の最新刊は、宇宙論についての解説です。タイトルは「宇宙創成」。
最新刊と言っても、2009年の刊行なので、読む機会はいくらでもあったのですが、ぼく自身、宇宙に関しては、もう十分知ってる気になっていて、この本は読んでいなかったんですよ。
が!
最近ブログでガリレオのことを話題にしたり、宇宙は2次方程式なんて記事まで書いちゃったせいか、急に思い出して(気になって)、Amazonで注文してみました。
写真の一番下にある「フェルマーの最終定理」を読んでるころは、まだタバコを吸っていたので、少し表紙が黄ばんでおります(苦笑)。
いや、それはともかく(笑)、さっそく届いた「宇宙創成」を読み始めました。
やっぱり、うまい!
まだ上巻を半分も読み進んでいませんが、それでも、圧倒的な知識量に恐れ入ります。
彼の解説をひと言で表現するなら「丁寧」という言葉に尽きますね。本当に丹念に、科学の進歩の歴史を解説してくれるので、科学者たちの人間模様まで見えてくるんです。
もちろん、科学の歴史だけでなく、科学そのものの解説も秀逸。最初の著書が「フェルマーの最終定理」だけあって、数学に造詣が深いところが、解説のうまさに繋がっているのかもしれませんね。
それと、彼自身は学者ではなく、あくまでもサイエンスライターなのがいいのかもしれません。専門の学者だと、「そんなこと説明しなくたって知ってるだろ」というのが無意識にあるような気がするんです。でもサイモン・シンさんのような優れたサイエンスライターだと、「知らなくて当然」という前提で本を書いてくれていると思うのです。
サイモン・シンさんのような優れた解説者がいてくれるおかげで、ぼくなんかでも、理解の難しい最新科学についての知識を深められます。
ありがたいことでございます。
TERU兄は、難しいご本が好きだなあ……
うん。でもね、正直に言うと、読んでると眠くなっちゃうこともあるよ(笑)。