
兵庫県立美術館にて、石岡瑛子展を見てきました。

こちらが建物です。
何度も来ています。

石岡瑛子さんは、1960年代から2000年代まで活躍したグラフィック・デザイナーで、さらにエディトリアルデザイナー、舞台衣装ほか様々な視覚表現を手掛けた方です。
そうした石岡さんの作品を、1960年代の資生堂時代の広告、1970年代の独立後に手掛けたパルコの広告、角川書店、さらに西武セゾングループなどの活動を中心に展示していました。
どれも一斉を風靡しました。
当時、テレビのCMを見て、あまりに斬新というかアヴァンギャルドな感じでした。
すべての人が満足する表現ではないでしょうが、そういう表現が大胆に行われることが出来た時代ともいえます。
そうした広告を見ていて、資生堂時代やパルコ時代の広告から、女性の健康的な身体美を強調した作品を感じました。
今回の展示を通じて、ドイツの映画監督レニ・リーフェンシュタールが戦後、アフリカの戦闘部族を中心とした映像を撮るようになった際、その写真集をはじめ日本での展覧会のポスター、グラフィック全般を手掛けたのが石岡瑛子さんだったことを知りました。
リーフェンシュタールがアフリカの戦闘部族を興味を持ったことを批評していたのが、アメリカの写真批評家スーザン・ソンタグでしたが、ソンタグは渡米前の石岡瑛子さんの画集を見て大きな興味を抱いたそうです。
これまで自分の中でバラバラだった情報が、ミッシング・リンクのように繋がりました。
その意味で、見てよかったです。
ちなみに日本でレニ・リーフェンシュタールの回顧展が行われたのは1990年代初め頃でしたが、当時は左派的な人が多い美術関係者の中では、ナチスお抱えの映画監督だったリーフェンシュタールを免罪するものとして否定的な言動も多く聞かれ、私もそうした批判に同調していました。
のちにスーザン・ソンタグの批評を読んで考えを改めましたが、今回の展示を見て、さらに「世界は人々が思うほど単純なものではないし、物事を単純にとらえてはならない」と強く思いました。

展覧会の看板には、石岡瑛子さんの言葉がいくつも書かれています。
自分にとって、本当に見てよかった展示でした。