デフレ脱却給付金による消費喚起と内需拡大を! | Ternod Official blog

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哲学思想研究、文人画。 反緊縮行動(Anti-Austerity Action)〔生ー政治(Bio-politique)に抵抗する自律労働者(Autonomia Operaia)〕。 ブラック・ミュージックをこよなく愛す。レコード/CD店、古本屋、美術館などで出没することが多いです。

 

■防災のための財政出動を

 

今年の初夏より、災害が続いています。

6月には大阪北部地震、7月には西日本水害があり、先日は台風21号の関西上陸による都市災害があり、さらに北海道で震度7の地震と停電がありました。

 

私は今年7月9日、以下のような記事を書きました。

 

防災とインフラ整備のため公共事業を!—大阪北部地震・西日本豪雨に寄せて—
 2018-07-09 23:02:02
https://ameblo.jp/ternod/entry-12389661307.html

 

古くは1970年代、本格的には1990年代後半より公共事業がやり玉に挙げられるようになり、公共事業の予算削減が続いて来ました。

だが、その考え方は、もはや改めるべきです。

防災対策や老朽化したインフラの整備改修に、政府財政を使うべきです。

 

■災害による景気低迷への対策を!

 

そして、このような災害が続く中では、被災者支援や生活再建とともに、景気浮揚策により経済を活性化する必要があります。

 

とくに関西国際空港のA滑走路の復旧に時間がかかることと、本土と空港島の連絡橋がタンカーの衝突によって一部が破壊され、自動車の交通量が制限され、鉄道に至ってはJR、南海電鉄ともに走行できない状態が続いて来ました。

関西国際空港はA・B滑走路、ターミナルビルの一機能が復旧し、国際線の一部を伊丹空港と神戸空港に振り替えて離発着させる予定となっていますが、全面復旧にはまだ時間がかかる見込みです。

 

関西での景気はインバウンド(訪日外国人による消費)によって支えられているため、国際線の減少は訪日観光客の減少につながり、消費の低迷につながります。

北海道でも地震や電力不足により観光客は激減しており、同様に消費の低迷につながるおそれがあります。

 

こうした中では、復旧を急ぎインバウンドの継続を行うとともに、内需拡大策を取るべきです。

むしろ、2014年の消費税8%増税以来、個人消費が落ち込み、いまだに伸び悩む中で円安誘導によるインバウンドばかりに消費を頼るのではなく、内需拡大によって個人消費を延ばすことがデフレ脱却に必要なことではないでしょうか?

 

ただ、消費者物価指数(コアコアCPI=エネルギーと生鮮食料品を除く消費者物価指数)をみても、いぜんデフレ脱却とはほど遠い状況にあります。企業の賃上げについては、政府は3%の賃上げを企業に要請したものの、実際にはインフレによる物価上昇を背景とした要求の方が効果を持つでしょう。

 

■デフレ脱却給付金による内需拡大とデフレ脱却へ!

 

火急の対策としては、日銀の量的緩和で増刷した緩和マネーを政府が金利ゼロで借りて財源にして、ヘリコプターマネーを日本国内在住者ひとりひとりに配付する方が、直接的な効果をもたらします。

 

「ひとびとの経済政策研究会」で作成した「反緊縮マニフェスト」には、ベーシックインカムの前段階として「すべての日本在住者(一定期間以上居住する人々)に月3万円ずつ配ります」という「デフレ脱却手当て」を提案しています。

 

【「反緊縮マニフェスト」のページ】

https://economicpolicy.jp/2018/09/03/1110/

 

【該当ページのPDFファイル】

https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2017/12/Manifesto08.pdf

 

山本太郎参議院議員は、国民ひとり月3万円の「デフレ脱却給付金」を提唱しています。

http://www.taro-yamamoto.jp/daily-activities/8166

 

 

 

なおヘリコプターマネーについては、1999年に小渕政権下で給付された「地域振興券」は15歳未満の子どものいる世帯と高齢者のみに一回限りひとり2万円の商品券を給付するものであり、2008年に麻生政権下で給付された「定額給付金」は日本国内在住者ひとりひとりに一回限りの1万2千円(18歳未満の者と高齢者は2万円)を給付するものでした。

給付金は貯蓄に回るため効果は限定的との見方については、一回限りの給付では、将来不安のため貯蓄に回りますが、毎月給付されることが分かっている場合は消費にも回る確率が高くなると考えられます。

また、いつまで給付するかは、年2%のインフレ目標達成後、具体的にはインフレ率2%超が2年続いたら給付額を半分に下げ、インフレ率が年3%を超える状況が2年続いたら廃止または税を財源とする制度にあらためます。

麻生政権下の「定額給付金」は総額2兆円であったのに対して、デフレ脱却給付金には単純計算で年43.2兆円の予算が必要ですが、日銀の量的緩和の緩和マネーは十分まかなえる額であり、むしろ現在はGDP上昇に伴い量的緩和のための国債の発行量を増やすべきであります。

そもそもデフレ下では貨幣価値の上昇とともに金融資産の価値も重くなり、当然、債務の価値も重くなります。

ゆえに、デフレ下ではデフレ脱却を優先すべきです。

 

■消費税増税は凍結すべき

 

このような状況下では、2019年に予定されている消費税10%増税は、凍結すべきです。

むしろ5%に減税すべきです。

そもそも消費税とは、人々の消費に対して課税し、国税庁は店舗の売り上げから徴税するものです。

個人消費の伸び悩みが続く中での災害続きとインバウンド効果が見込めなくなる中での個人消費を喚起する必要がある中で、その人々の消費に対して課税することは論理的にありえません。

どうしても増税が必要というなら、まずは株式所得の分離課税をやめて総合課税に一本化し、インフレ目標達成後に所得税と法人税の累進課税率強化や資産課税を先にやるべきです。

どうしても直接税では限界があり消費税増税が必要だというのであれば、まず北欧諸国のレベルにまで社会保障制度を引き上げ、再分配政策を充実させた福祉国家を実現し、その下での生活経験を経た上で、人々に信を問うべきです。

 

※関西国際空港の復旧に関する最新ニュースを反映した訂正に加え、一部加筆しました(2018.9.14)。