いま財務省の文書改ざん問題をめぐって、野党の追及と審議拒否により国会の機能が停止し、官邸前などでは連日の抗議行動が行われています。
確かに、安倍政権の個々の政策やその進め方には、相当の問題はあると思います。
そして財務省の文書改ざんについては、問題解明が必要であることはいうまでもありません。
だが安倍内閣が総辞職、あるいは9月の自民党総裁選で新総裁に変わって、石破や岸田あたりの新政権になれば、緊縮政策が取られることは確実でしょう。
財政再建の名の下に国債発行額は極端に減らされ、日銀の金融緩和も縮小あるいは出口戦略を取らされ、デフレ脱却もままならぬうちに一気に不景気に転ずるでしょう。
大量失業時代の再来です。
その上で、2019年には予定通り消費税は10%に増税され、2020年の東京五輪を経て、2021年以降は深刻なデフレ不況が再来することになります。
そもそもデフレ脱却のための金融緩和策は、アメリカのリベラル派経済学者ポール・クルーグマンは1990年代後半には日本がとるべき金融政策として提言していましたが、日本国内では無視され続けてきたものです。2001年に初めての量的緩和が始まり、2003年に本格化することでようやく長期の不況からの脱出の可能性が見えたものの、インフレ傾向が出始めたとたんに日銀は金融緩和を打ち切り、再び景気が後退しはじめたところに2008年のリーマンショックが直撃した経緯があります。
そして同年に与野党の同意によって成立した日銀の白川総裁体制の下では、金融緩和に対して否定的で、小幅の金融緩和策しか取られなかったため、リーマンショックからの脱出が困難で、むしろデフレ不況が深刻化してきていました。
さらに2010年に誕生した菅直人政権の下では、菅直人総理(当時)は、当初は金融緩和に興味を示したものの、菅政権の経済ブレーンの小野善康氏による「金融緩和に意味はない」との助言をまともに受けてしまい、デフレと円高による不況が深刻化することとなりました。
このような状況が再来する可能性は高いと見ています。
そうなったら、国民の怒りは岸田や麻生にも向かうでしょうが、それ以上に野党各党に対する失望や憎悪として向かうでしょう。
とくに現役世代や若者層の間では、野党は憎悪の対象でしなくなることでしょう。
だが、野党各党には、そうした見通しというものがまるで感じられません。
安倍政権さえ倒せば、あとは野となれ山となれというのでは、責任政党としての立場の放棄であるどころか、そもそも国民の税金で給料を得ている公職に就く者としての適格性すら疑問符が付きます。
そして野党、立憲民主党、民進党、希望の党、さらに社民党や共産党までが財政均衡重視の緊縮派である点では、自民党と大差ありません。
私は、自民党だけでなく野党各党についても、このような政党に人々の生活を託すのは危険と判断します。
もっとも、すでに反緊縮派は与野党双方から距離を置くべきだと考えており、立憲民主党批判もその一環として主張しています。
