《セイレーンたち》 | Ternod Official blog

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哲学思想研究、文人画。 反緊縮行動(Anti-Austerity Action)〔生ー政治(Bio-politique)に抵抗する自律労働者(Autonomia Operaia)〕。 ブラック・ミュージックをこよなく愛す。レコード/CD店、古本屋、美術館などで出没することが多いです。

 

最新作が完成しました。

5月の連休明けから約3週間、ほぼ毎日描き続けていました。

《セイレーンたち》
カンヴァスに油彩
F30 号(910 mm × 727 mm)
2017年
¥60,000-(+送料¥1,000-)

ギリシア神話を題材とした歴史画です。
一応、古代ギリシアの詩人ホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』の一場面を描いたものですが、見てもお分かりのように、『オデュッセイア』とはだいぶ変えてあります。

セイレーンとは、美しい歌声によって船乗りたちを魅了する女神たちのことです。その姿は、絶世の美女であり、かつ伝承によって腕が鳥の羽の姿をしていたり、下半身が魚の姿だったりすることもあります。
そしてセイレーンによる官能的でかつ破滅的な歌声に魅了された船乗りたちは、そのまま海に引きずり込まれ、二度と生きて帰ることはないといわれています。

トロイア戦争で、木馬に兵を忍ばせる計略によってギリシア勢を勝利に導いたオデュッセウスは、故郷イタケーに帰るまでに地中海を10年近く放浪したそうです。

そしてオデュッセウスは放浪の中で、キュプロス島では一つ目の人食い巨人がいる洞窟に閉じ込められたり、魔女キルケーの島で1年間過ごしたりしていました。

その後、キルケーは島を後にするオデュッセウスに、セイレーンの歌声に注意するよう忠告します。
オデュッセウスはセイレーンたちのいる岩場を通る時、キルケーノの忠告に従って、部下たちには蝋で耳栓をさせ、自身はセイレーンの歌声を聴くために帆柱に身体を縛り付けて、海に引きずり込まれないようにしました。

そして、セイレーンたちの歌声が聞こえる岩場へと船は進んで行きます……。

私の作品では、大航海時代のガレオン船に乗った海賊であり、キャプテンは17世紀のフランス軍の海軍服をもとにした衣装を身につけています。反乱軍が海賊になったというイメージなので、アウトロー的な風貌ではなく、青年将校風の風貌です。
海は、地中海を遠く離れて、魔の海域として知られるサルガッソー海をイメージしました。
サルガッソー海とは大西洋の北米からカリブ海にかけての海域で、ホンダワラ系の藻が繁殖していて、この海域を航行する船は舵やスクリューに藻が絡み付いて航行不能になったまま何年も海上を漂い続けて、いつしか幽霊船となって現れるそうです。
バミューダ・トライアングルで有名なバミューダ海域もサルガッソー海の中に含まれています。

また、海に沈む夕日と空は、二重連星の太陽に、巨大なガス惑星を描いています。

未来に向けた「未知への航海」、これから始まるであろう、新たな大航海時代の到来を込めて描いています。

風景画と平行して、神話や歴史を題材に、社会性なり思想性なりを込めて描くような作品を続けていこうと考えています。

それにしても、今回の作品制作は疲れました。
終盤の方では、かなり疲れが出て来て、栄養ドリンクを飲んで描いていました(笑)

 

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