《Ground Zero #002》 | Ternod Official blog

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哲学思想研究、文人画。 反緊縮行動(Anti-Austerity Action)〔生ー政治(Bio-politique)に抵抗する自律労働者(Autonomia Operaia)〕。 ブラック・ミュージックをこよなく愛す。レコード/CD店、古本屋、美術館などで出没することが多いです。

《Ground Zero #002》
カンヴァスに油彩
M20号(727mm×500mm)
2016年。
50,000円

Ground Zero #002


この作品の制作意識は《Ground Zero #001》とほぼ同じですが、こちらは渋谷駅東口広場全体の大規模工事の光景です。解体された施設は、東急東横店、東急東横線渋谷駅ターミナルと、子供の頃から慣れ親しんだ風景がすべて跡形もなく消え去りました。
「Ground Zero」とは、本来は広島の原爆投下による爆心地に対して呼ばれていましたが、2001年9月11日、アメリカ・ニューヨーク市のワールド・トレード・センターがテロによって崩壊して以降、9-11事件の爆心地に対して呼ばれるようになりました。
この作品のタイトルの「Ground Zero」も、9-11の方から連想して付けました。

この光景は、数年後には超高層ビルが建ち並ぶ光景になるのでしょう。

私がこの間思ってきたこととして、福島第一原発事故による放射性物質の拡散の問題もさることながら、地震国である日本において、首都機能の極端な一極集中というのはリスクマネジメントの点から危険きわまりないと思います。
たとえば、もし東京首都圏で震度6~7クラスの大地震が起きれば、その時点で、日本全体の政治・行政・経済機能がパニックに陥ります。
また東京の様々な施設や公園等のキャパシティから考えて、大災害が起きても、避難施設に入れる人たちは限られてくるでしょう。とくに成人の単身者は、どこの避難所にも入れないどころか食料の配給すら受けられず、棄民されるおそれがあります。

そう考えれば、東京中心の「復興」など、砂上の楼閣を築いているようなものでしょう。
今すぐは難しくとも、準備が整い次第、西日本に移住すべきである。
そして、新たな地で活動をし、積極的に発信していくべきである。

「トロイアは、その名とともに亡んだし、亡んだことにしておくよう、
お願いしたいと思います」。
ウェルギリウス『アエネーイス(下巻)』泉井久之助訳、岩波文庫、397ページ。

そのようなことを考えながら描いた作品です。