信楽(滋賀県甲賀市)在住の陶芸家:杉本貞光先生の伊賀の花入です。
先生の昭和55年大阪大丸の図録に同じ形のものが『からたち形花入』として掲載されているので、重要文化財の伊賀花入『銘:からたち』の写しだと思います。
ネットオークションで“信楽焼 花入”で検索していて見つけました。
先生に申し訳ないような安値で取得できました。
出品者が美術専門でなく、箱もないので先生の作品だと特定するのが難しかったのか、強力な競争相手のなかったのが幸いしました。
『からたち』を知らなかったので、大胆な割れとくっついた欠片が先生の作風と違う気がして、多少の不安はありました。
この欠片を棘(とげ)に見立てたのが『からたち』の由来とか。
どの方向から見ても、何度見ても飽きることはありません。
“信楽や伊賀は濡らして楽しむ”を思い出して、霧吹きで湿らせました。
焦げの部分だけでなく全体が落ち着いた雰囲気になり、別の作品のように見えます。