『認知症ケアの倫理』第25回読書会レポート④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第25回読書会レポート④

2023年10月12日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第25回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

第25回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第25回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

第25回読書会レポート③はこちらをご覧ください。

 

 

「どうすれば被害妄想がなくなるのか」

 

「家族の立場から言わせてもらえば、それについては処方箋は無い。もの盗られ妄想や被害妄想というのは、体が動いて、相手の言うことも判断できる時に出てくるので、症状としては軽い時期のものだ。時間が経てば被害妄想はなくなる。気晴らしをしながら、その時が来るまでやっていくことだ。自分の場合も、施設に入ってからは不思議ともの盗られ妄想がなくなった」

 

「同様のケースを見てきたが、すぐに解決はしない。逃げたらいいと思う。物理的に距離を取ることだ。環境が変わると訴え続けるのが難しいということもある。差し支えない人がいたら、尋ねてもらって、ちょくちょく話をすることだ」

 

「逃げるのは大事だ。結婚せずに家で母親の介護をしていた女性がいて、やり切れないと思ったが、同じ興味を持つ人とデイで出会って憂さを晴らしていて、それが支えになっていた。自分を保ちながらやっていた」

 

「長期的には先程の話にあったように待つしかないのだが、短期的には物理的な解決策もあると思う。たとえば何か特定の物をよく盗られると訴えるなら、それをしまう場所を決めて一緒にしまう様子を動画に撮る等して見せられるようにする。不安が強い中で自分が相手に頼って依存しているという負い目を感じたくなくて、それを解消しようとしてもの盗られ妄想が出てくるとも言われる。相手を悪者に仕立てる事で、世話になっている負い目とのバランスをとっているという側面もあると思う。それだけ頼られている事の裏返しでもある。話を聴いてくれる人を探すのも大事だ。この読書会もそうだが、自分の中に溜め込んでしまうときつくなるので、外に出せる場を持つ事だ」

 

「もの盗られ妄想が急にひどくなったという話だが、具体的なきっかけがあったのか。脱水や体の疲れも原因かもしれない」

 

「母が具合が悪かった時にその場にいなかったので、いざという時にいなかったという思いがあるのかもしれない」

 

他にも『東大教授、若年性アルツハイマーになる』をご紹介したほか、クリスティーン・ブライデンさんとの再会、認知症ケアにおけるイネブラー(イネーブラー、イネイブラー)という概念についてもお話させていただきました。

 

 

 

今回は149ページまで読み進めました。次回は149ページの「3.情報提供を受け、修正にオープンである」から読んでいきます。次回は11月9日(木)の開催です。

 

 

【ブリコラージュ連載中】

 

 

 

【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:2023年11月29日(水)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらです。

Peatixからもお申込みいただけます。

 

※認知症ケア専門士単位(1単位)も取得していただけるよう申請中です。

 

 

【パーソンセンタードケアの関連書籍】