『認知症ケアの倫理』第25回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第25回読書会レポート①

2023年10月12日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第25回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は143ページの「2.実践パターン」から読み進めました。148ページから149ページの事例について、本人に話を聞くことを大切にする一方で、それで正確な情報が得られない場合にどうしているか、参加者のみなさまにお話を伺いました。

 

「認知症があるかどうかにかかわらず、高齢者というだけで家族からの大事な預かりものという感じがある。丁寧に扱うが、あくまでも家族の意向に沿ってというところがある」

 

「施設の生活は本人を主体にして組み立てられる。本人の話が時間や空間についての正確性を欠いていても、こちらがそれをどう有効な情報に組み立てられるかだと思う。ある時、『お世話になったお兄ちゃんに一言挨拶をしたい』と認知症がある人が言った。そのお兄ちゃんとは誰なのかを突き止めるために、関わっている支援者たちに取材をしたところ、ドクターを『お兄ちゃん』と呼んでいたことがわかり、そのドクターの写真をホームページからとってきて見せたことがあった。このケースではすぐにわかったが、わからないことが多い。『幸子』など下の名前で呼ぶ時には子どものことを話していることが多いが……。若くして離婚して、奥さんが子ども二人を引き取った後、長く合わせてもらっていないケースがあった。名前をずっと呼んでいて、誰だかわからないので『元気にしていますよ』とも言えず対応できなかったのだが、2ヶ月後くらいに何かのきっかけでわかった」

 

「友人や仕事の場合でも、明らかに話が噛み合っていない時にはズレを修正することもあるが、聞いていて噛み合わないままでも、それでいいかとそのままにしておくこともある。それでも、まるで噛み合っているかのような結論に落ち着くこともある」

 

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【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:2023年11月29日(水)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらです。

Peatixからもお申込みいただけます。

 

※認知症ケア専門士単位(1単位)も取得していただけるよう申請中です。

 

 

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