『認知症ケアの倫理』第21回読書会レポート④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第21回読書会レポート④

2023年6月8日(木)に開催した『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第21回読書会のレポートをお届けいたします。

 

第21回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第21回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

第21回読書会レポート③はこちらをご覧ください。

 

 

「在宅ヘルパーをしている。介護保険の見直しの時期に、要介護だった人が要支援になったことで、毎日のように洗濯をしていたのが週1回から2回になった。本人の状態は変わらないのに、援助ができなくなった」

 

「介護保険の制度改悪への反対に関しては、Care Societyというメーリングリストがある。医師会は圧力をかけるのがうまいが、どうして介護の人は声を上げないのかという指摘がある」

 

「パーソンセンタードケアは主体と構造で言うところの主体に関するものだが、構造のほうに目を向けないといけないと思うようになった」

 

「50年以上前にも認知症の人がいたが、重度でも明るかった。なぜかと言うと、近所も大家族で必ず誰かしら認知症の人がいて、歳をとればそうなるとわかっていて、辛い話ではなく、軽い感じで認知症について話していたからだ。本人も話に参加していて、自分に関わることだけにっこり笑っていた。それに比べて今の状況は悲惨だと思う。認知症になってから10年20年と生きる人が多いので、家族も少子化で面倒を見る人がいなくなっている。自分の問題と捉えて見据えている」

 

「『じいと山のコボたち』では、認知症になったおじいさんは泳ぎがうまかったので、子どもたちには泳ぎの達人として尊敬されていた。認知症になっても自分の得意なことを活かして自己肯定感を持てる場があったのがよかったのだと思う」

 

 

「認知症でも昔は明るかったと言うが、制度ができればできるほど生きにくくなるのではないかと思う。制度ができた途端に線引きされる。介護保険ができた時、自分の老後もこれで安心だと思ったのに、えらいことになってきた。介護保険で介護が受けられるようになったはずが、そうならないのはどうしてだろう。誰のためなの制度なのか。じわじわと嫌な感じがある」

 

「スポーツ業界でも体罰を否定して選手を大切にしようというプレイヤーズセンタードの動きがあり、MeTooなど人権を尊重する流れがあることで、パーソンセンタードケアが理解されやすい土壌ができてきたのではないか」

 

今回は121ページの15行目まで読み進めました。次回は121ページの「4.ナラティヴ(物語)の倫理」から読んでいきます。次回は7月13日(木)の開催です。

 

【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:2023年8月18日(金)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらです。

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