『認知症ケアの倫理』第19回読書会レポート④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第19回読書会レポート④

2023年4月13日(木)に開催した『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』第19回読書会のレポートをお届けしています。

 

第19回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第19回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

第19回読書会レポート③はこちらをご覧ください。

 

 

生活の質に関連して、『塀の中のおばあさん』をご紹介しました。

 

 

本書の冒頭には、「刑務所に入って、人間関係が広がった」「ここでの生活が本当に嬉しい」「刑務所にいるほうが気持ちもすごく楽」という受刑者の言葉が登場し、刑務所にいるほうが生活の質が高い様子が見受けられます。

 

本書で「監獄を見れば、その国の国民性がわかる」というチャールズ・チャップリンの言葉が引用されていました。この点について、イギリス在住の参加者にお話を伺いました。

 

「イギリスでは人権が大事なので、死刑制度はない。窃盗を繰り返すことが多いが、衣食住のためだと思う。住む地域で助け合うことができていれば……。資本主義の行き過ぎの問題があると思う。カズオ・イシグロが脚本を書いて話題になっている『生きるLIVING』のような人と人とのつながりがあれば、犯罪に走ることはないのではないか」

 

「認知症にならないプログラムをチームと連携して開発しているが、介護予防と言って出てくるのは、相も変わらず脳トレや体操だ。いくら週1回そういうことをしても、それ以外の時間を持て余している。惰性で生きるのではなく、余生をかけられるものがあれば……。『生きるLIVING』のテーマになっているように、もっと生きる目的を持つことに取り組まないといけないのではないか。村上春樹の新刊が話題になっていたが、発売と同時に購入したファンが『あと何冊、村上春樹の本を読めるかわからない』と言っていた。文章の雰囲気等から、いつまでも若いイメージがあったが、村上春樹も70歳を超えている。まさに生きる目的を持って活動していると思う」

 

他にも、『元気がわく習慣』『バレエ団のねこ ピンキー』『ぼくはぼく』『認知症の人の心に届く、声のかけ方・接し方をご紹介しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は110ページの16行目まで読み進めました。次回は110ページの「生活の質とは何か」から読んでいきます。次回は5月18日(木)の開催です。

 

 

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