『認知症ケアの倫理』第19回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第19回読書会レポート①

2023年4月13日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第19回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は110ページから読んでいきました。ここに登場する質の高いコミュニケーションに関連して、『言語が消滅する前に』を紹介しました。本書では、SNSなどのコミュニケーションによって情動だけを伝達し、言葉を用いなくなったことが言及されています。

 

 

 

この点に関連して、SNSによるコミュニケーションの変化を感じているか、SNSとどう付き合っているか等、参加者のみなさまにお話を伺いました。

 

「あえてLINEをやっていない。頻繁に連絡をとられるのが嫌だからというのもあるが、スタンプだけでコミュニケーションを終えてしまうようになることで、自分の考えを適切に言語化しなくなってしまうのではという危惧がある。とはいえ、他のSNSでは結局そのようなコミュニケーションをしてしまっているのだが……」

 

「SNSは使わざるを得ない。日本とはLINEで、イギリスではWhatsAppを使ってコミュニケーションをとっている。Facebookはもうやめたいと思っていたけれど、カムバックした。子どもはTickTokやSnapchatを使っている。SNSでの人格批判もあるが、イギリスの場合は色々な人種がいることもあり、人権に重きを置いている。人格否定はいけないことや、非婚か既婚かを尋ねてはいけないこと等が教育されている。法律やルールについて、子どもの頃からよく話をする。イギリスでも様々ないじめがあり、学校でのルール作りが追いついていない側面はあるが、チャイルドセンタードな(子どもを中心とした)教育になっている。イギリスの政府の通達等も、SNSによるいじめや自殺などを受けてアップデートされている」

 

「LINEをやるようになり、かわいいスタンプをもらうと良いイメージがあるが、その一方で、スタンプで片づけられたのかという気持ちにもなる。それとも家族とスタンプでやりとりしているなら、家族と同じような親しみをスタンプで表してくれているのかとも考える。自分は文章を長く書くが、若い人は短い言葉でやりとりをしている。短くても通じているようだが、『意思が通じている』ということの意味するレベルが低いのではないかとも思う」

 

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